弁護士コラム

【面会交流】コロナ禍の中でも面会はさせないといけないの?

[投稿日] 2020年06月01日 [最終更新日] 2020年06月01日

別居中の夫婦や離婚した元夫婦の間に未成年の子がいる場合、非監護親(一緒に住んでいない親)との面会交流が問題となることが多くあります。

当職も、様々な面会交流案件の代理人となりました。

離婚してから5年間、一度も面会をさせてもらえなかった父親。

1ヶ月に2回の宿泊面会をしているものの、もっと会いたいと求める母親。

夫婦間の溝が深くなりすぎて、面会交流の調停条項が実に3ページ以上にも及んだ夫婦。

事情は様々であり、想いも様々です。

非監護親と定期的に会い、非監護親からも愛されていることを実感させるのが、子ども達の心の成長にとって望ましいことである、と家庭裁判所は言います。確かに、子ども達にとって、非監護親が大切な親であることに変わりはありません。

しかし、子ども達が非監護親である別居中の配偶者や、離婚後の元配偶者に会うことを、心から喜ぶ監護親(子どもと一緒に住んでいる親)が少ないことも事実です。

いろいろなことがあって、別居や離婚に至っているのでしょうから、それも仕方がないことなのかも知れません。

でもそこは、子ども達のためと思って、グッと我慢をしてもらうよう、お願いをしています。

そんな中、今回のコロナ禍です。

毎月、非監護親との面会交流へと子ども達を見送ってきた監護親の方から、コロナ禍の中、非監護親との面会交流を中止したいとの相談を受けることが出てきました。

確かに、全国に緊急事態宣言が出されたほどのこの異常事態。

このコロナ禍の中、いつ新型コロナウィルスに感染するか分からず、子ども達の安全のために一緒に暮らしていない非監護親との面会を一時中止したいとの気持ちは理解できます。

それでは、協議や調停で定まった面会交流を、コロナ禍を理由に中止とすることはできるのでしょうか。

これについて、「正解」は分かりません。

しかし、外出自粛要請が出されている間であれば、そのことを理由に面会交流を中止したとしても、批難されるべきではないでしょう。

非監護親が他県に在住している場合、他県への移動自粛が求められている間の面会交流を中止することについても同様に考えます。

ただ、出来れば面会交流を中止する代わりに、テレビ電話での非監護親と子ども達の交流をおこなったり、手紙のやりとりをするなどして、非監護親との交流を保てると良いのではないでしょうか。

では、緊急事態宣言が解除された今も、面会交流を中止することは妥当なのでしょうか。

たしかに、子ども達と一緒に住んでいる親としては、出来る限り外出を避け、人との接触を避けた方が感染のリスクは回避できます。

しかし、接触をしようとしているのは他人ではなく、子ども達のもう一人の親です。

仮に万が一、監護親である自分が倒れたら、頼らざるを得ないかも知れない子ども達の大切な親、子ども達を支えるべきもう一人の親なのです。

新型コロナウイルスの脅威はこれからも一定期間継続すると考えられます。

この期間、非監護親と面会交流をしないとすると、子ども達と非監護親との間の交流が断たれ、親子間のスムーズなコミュニケーションが害されてしまう危険性があります。

感染リスクが怖ければ、公園で会う、お互いに熱がないか検温をしてから面会をする、マスクを着用するなどして、対策をしながら、面会交流を実施てみてはどうでしょうか。

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寺田 玲子 弁護士

取扱分野
離婚・男女 交通事故 犯罪・刑事事件

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