弁護士コラム

【認知】浮気相手が妊娠をした場合、認知をするとどうなるか

[投稿日] 2020年06月11日 [最終更新日] 2020年06月11日

どんなに可愛い奥さんがいても、妻と仲が良かったとしても、男性は浮気(不貞行為)をするものなのですね。

正直、理解が出来ませんが、不貞行為をした結果、不貞相手の女性が妊娠をしてしまう、というリスクがあることを男性は理解をしておくべきでしょう。

不貞相手の女性が妊娠をした場合、男性にはどのような選択肢があるのでしょうか。

① 奥さんと別れて不貞相手の女性と結婚をする

② 不貞相手の女性には謝罪をし、堕胎をしてもらった上で奥さんとの婚姻生活を続ける

③ 奥さんとの婚姻生活を続けたまま、不貞相手の女性には出産をしてもらい、子どもは認知をする

④ 奥さんとも不貞相手の女性とも別れる

いろいろな選択肢があると思います。

しかし、どの選択肢も誰かを傷付けることになることは、忘れないでください。

もちろん、不貞をしない事が一番良いのですが、なかなか世の中の男性(もちろん女性もいますが)の不貞はなくなりません。

ここで一つ注意をしたいのは、仮に男性が②の選択肢を希望していたとしても、不貞相手の女性が堕胎をすることを希望しなければ堕胎をすることはできないということです。

刑法215条で不同意堕胎罪が規定されています。

刑法215条「女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、6月以上7年以下の懲役に処する」

10年ほど前、結婚話が進んでいた医師である男性が、結婚相手ではない交際女性を妊娠させ、嘘をついて子宮収縮剤等を飲ませて流産させたという事件がありました。この事件では、不同意堕胎罪として有罪判決を受け、その後、医師免許は取消しとなったそうです。

つまり、男性としては胎児を堕胎してほしくても、不貞相手の女性がYESと言わなければ、堕胎をすることは出来ず、子どもは生まれてくることとなります。

「俺は産むことに同意していないから、認知もしないし、養育費も払わないぞ!」と言う男性もいるかも知れません。

しかし、そのようなことは許されません。

女性から認知請求をされ、DNA鑑定の結果、父子関係が認められれば、いくら認知したくないと言っても認知の訴えを提起されれば、強制認知となります。

「いずれにしろ認知せざるを得ないのであれば、任意に認知をしよう、でも…奥さんにはバレたくない」と思う男性もいるでしょう。

しかし、認知をすれば、当然その子は男性の戸籍謄本にも載ります。

もちろん、生まれた子の戸籍謄本にも、父として男性の名は載りますが、男性側の戸籍謄本にも生まれた子が記載されるのです。

ここで注意すべきなのは、男性の戸籍の中に、生まれた子が入るわけではありません。

分かりにくいので、具体例を挙げましょう。

寺田玲男さんという男性の戸籍謄本です(もちろん、下記で記載されている名前は全て仮名です)。

 

本籍 香川県高松市古新町1番地6

氏名 寺田 玲男

--------------------------------

戸籍編成日 令和元年5月1日

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戸籍に記録されている者 【名】 玲男

            【生年月日】昭和50年5月5日 【配偶者区分】夫

            【父】 寺田 太郎

            【母】 寺田 花子

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

身分事項 出生     【出生日】昭和50年5月5日

            【出生地】香川県高松市

            【届出日】昭和50年5月8日

            【届出人】父

            【送付を受けた日】昭和50年5月10日

            【受理者】香川県高松市長

     婚姻     【婚姻日】令和元年5月1日

            【配偶者氏名】高松 玲子

            【従前戸籍】鹿児島県鹿児島市山下町12番4号 高松達夫

     認知     【認知の裁判確定日】令和3年6月10日

            【認知した子の氏名】石川 愛子

            【認知した子の戸籍】石川県金沢市此花町3番2号 石川 梅子

            【届出日】令和3年6月11日

            【届出人】親権者母

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、この下には寺田玲男さんの戸籍に入っている人が「戸籍に記録されている者」として続きます。妻や子ですね。

認知した子は、入りません。

このように、認知をすると認知した人の身分事項として、認知の事実が載るのです。

もちろん、戸籍謄本は奥さんであれば取り寄せられますので、戸籍謄本を見られた瞬間に、不貞はバレます。

因みに、上記の戸籍の記載で分かることを解説しましょう。

寺田玲男さんは、令和元年5月1日に高松玲子さんと結婚をしたようですね。

そしてその後、石川梅子さんと不貞をして、愛子ちゃんが生まれている。

【認知の裁判確定日】と記されていますので、玲男さんは任意認知はしなかったようです。

恐らく認知調停か認知裁判となり、令和3年6月10日に認知の裁判が確定したみたいですね。

因みに、愛子ちゃんがいつ生まれたのか、ということは玲男さんの戸籍謄本だけでは分かりません。

認知調停等をおこなっているはずですので、令和3年6月10日より一定程度前でしょう。

愛子ちゃんの生年月日を確認するためには、石川梅子さんの戸籍謄本を取り寄せる必要があります。

このように、認知をすれば様々な事実が戸籍に載ることとなり、奥さんにバレずに認知をするということは出来ませんので、ご注意下さい。

そして、認知をして生まれた子の父親である以上、養育費を支払わないということも出来ません。

養育費の請求調停や審判となりますので、覚悟をして下さい。

以上のとおり、不貞には様々なリスクが伴います。

もちろん、有名な人であれば仕事を失ったり、社会的立場を失うことはもちろんですが、一般人であっても平和な家庭を失ったり、養育すべき子が増える等ありますので、どうか不貞はしないようにしましょう。

高松まちかど法律事務所 〒760-0025 香川県高松市古新町1-6 NODAYAビル2階 平日8:30-17:30
Resized avatar mini magick20200514 25055 a22f62

寺田 玲子 弁護士

取扱分野
離婚・男女 交通事故 犯罪・刑事事件

コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。