弁護士コラム

公衆浴場で入れ墨をした客を断ることは?

[投稿日] 2017年03月04日 [最終更新日] 2017年03月04日

公衆浴場法によると、「浴場経営者は、伝染性の疾病にかかつていると認められる者に対しては、その入浴を拒まなければならない。但し、省令の定めるところにより、療養のために利用される公衆浴場で、都道府県知事の許可を受けたものについては、この限りでない」と定めています。

これは公衆衛生上の理由から当然のことと思いますが、単に入れ墨をしているとの理由で入浴を拒否することは許されるでしょうか。

それは、その浴場が公営か私営かによって異なります。 その浴場が市営・県営など公営の浴場であれば入れ墨をしていることで入浴拒否をすることは、正当な拒否理由には当たらないので、許されないことは言うまでもありません。

なぜならば、公衆衛生上の観点から見ても入れ墨は何ら問題はないことであって、ただ入れ墨をしているというだけでは公共の福祉に反するというわけでもないのに、公的な施設が、その利用者について差別的な取り扱いをすることになりますので、法の下の平等や個人の尊重・幸福追求の権利等を保障している憲法に違反した行為だと見られるからです。

ところが、私営の公衆浴場の場合には、話は別です。

ゴルフ場でも公衆浴場と同じように入れ墨をした人はお断り、というところをよく見かけますが、これは、そこの経営者の方針として、入れ墨に対する一般世間の人がどのような見方をしているか、という観点から、入れ墨をした人が客として来ていたらその浴場(ゴルフ場)に行きたくないという人が多くて顧客が減ってしまう恐れがあるとか、あるいは、入れ墨をした人は(暴力団関係者であるとは限らないのですが)とかく暴力団関係者と見られがちであるから暴力団排除の考えや、その他の理由から、「入れ墨お断り」という経営方針をとっているわけでしょうから、国がそういう経営方針を禁止するほうが、逆に憲法違反となるでしょう。

よって、私営の公衆浴場では、「入れ墨お断り」は許されて当然のことになります。

コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。

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