休職期間は有給休暇の出勤率計算でどのように考えるのか?

Legalus編集部さん 2015年06月10日

 6月に退職予定で、その前に有給休暇を消化しようと思い、届け出を出したところ、職場から「今年度の有給はない!」と言われました。実は、昨年度に5か月間休職しており、8割の出勤を満たしていないから、が理由だそうです。しかし、色々と調べていると、休職期間は、出勤算定時の分母から除くと記載されているものが多く、職場から言われていることが正しいのか間違っているのか

 わからなくなってしまいました。休職期間は、出勤算定時の分母に入るのでしょうか、入らないのでしょうか?



(30代:男性)

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Legalus編集部

     有給休暇、法的には「年次有給休暇」が付与されるためには、一定比率以上の出勤率を満たしている必要があります。

     具体的には労働基準法39条1項に規定があり、全労働日のうち8割以上の出勤を要することが規定されています。これを一般的には出勤率と言います。出勤率は、「出勤率=出勤した日÷全労働日」として算出します。

     そこで、今回のご相談のポイントは「休職期間は全労働日から除外して出勤率を算定するのか?」という点です。計算式をご覧いただければわかるように、分母である全労働日から除外(マイナス)できれば、分母は小さくなり、出勤率が高くなるためご相談者様にとって有利な状況となります。



     まず、条文上、出勤日にも全労働日にもカウントすると規定されているのは、業務災害による休業、育児・介護休業、産前産後休業の場合です(39条8項)。休職の理由が上記のいずれかである場合には、出勤扱いとなります(=分子も分母も増える)。



     それ以外の場合については、「年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の取扱いについて」(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知、平成25年7月10日基発0710第3号)で考え方が示されています。

     上記の通知では、まず、就労することができなかった理由が労働者の側にあるのか、そうでないのかで分けています。そして、不就労の理由が労働者の側にあるときは、全労働日としてカウントします(=分母のみが増える)。

     一方、不就労の理由が労働者の側にないケース(震災などで休業した場合や経営不振で休業した場合等)では、出勤日にも全労働日にもカウントしないとしています(=分子も分母も増えない)。



     なお、不就労の理由が労働者の側にあるときでも、出勤日としてカウントしたり、出勤日にも全労働日にもカウントしないという取り扱いを就業規則等で定めることは、労働者にとって有利な取り扱いになるため、問題ないとされています。



     したがって、ご相談者様としては、就業規則等を確認し、休職の理由と照らし合わせたうえで、会社の対応に問題がないかどうかを確認する必要があります。
     ただ、個別に判断される事案でもありますので、気になるようでしたら所轄の労働基準監督署まで問い合わせをされることをおすすめします。

2015年06月10日

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