取引先販売員に棚卸を強制する百貨店は労働関係法に違反していないか?

User image 1 匿名ユーザーさん 2015年07月11日 03時25分

 私は某百貨店にメーカーの販売員として勤務しています。

 百貨店では年に2回、商品の棚卸しがあり、百貨店の社員さんはもちろんですがメーカー(取引先)の販売員さんも毎回強制的に棚卸しに参加させられます。勤務時間終了後2時間~3時間程度なのですが、勤務先のメーカーに時間分の金銭手当てを請求しても認めてくれません。棚卸し当日も百貨店側から休暇をとらないようにと言われ、事実上参加を強制させられ、また、取引先という立場からもそれを断ることができません。百貨店、メーカーに違法性はないのでしょうか


 

(30代:男性)

匿名弁護士

     某百貨店が、取引先販売員(いわゆる「ヘルパー」さん)に、棚卸しに従事させることは、職業安定法第44条労働者供給事業の禁止にあたり、違法となる可能性があります。


     あなたはメーカーの販売員ですから、あなたと雇用契約を締結しているのはメーカーであり、就業場所が某百貨店と指定されているだけで、あなたの仕事に関する指揮・命令権や賃金の支払い義務など労務管理は全てメーカーにおいてなされます。

    そして、棚卸しなどは本来、百貨店の従業員が行うべき業務です。百貨店と契約関係が無く、人件費も負担していない取引先販売員に、百貨店が、その指揮命令の下に従事させることは、状況如何によっては、職業安定法第44条「何人も・・・(中略)・・・労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。」にあたる事があります。

     この職業安定法第44条に違反すると、某百貨店には1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられます(同法第64条9号)。


     又、これとは別に、某百貨店が取引先販売員に棚卸しに従事させることは、はいわゆる独占禁止法上(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)で禁止される不公正な取引方法(同法第19条)の内、優越的地位の乱用(一般指定第14号)にあたり、公正取引委員会により排除措置命令(同法第20条)を命じられることも考えられます。


     ここまでは社会全体のレベルでのお話でしたが、あなた個人のレベルではどうでしょうか。

    某百貨店が法律上、あなたに指揮・命令、ましてや有給休暇の取得制限をする権限が無い以上、あなたはメーカーから残業して棚卸をせよとの指揮・命令を受けた時に限り棚卸しに従事し、その残業代の割増賃金をメーカーから支払って貰うべきであり、某百貨店からの命令は無視できる、というのが「理屈」です。

    棚卸し当日に有給休暇を取得したければ、有給休暇をあなたの雇用主であるメーカーに対して申請する、という事になります。メーカーは正当な理由無くして、あなたの有休休暇の申請を却下できません(労働基準法第39条第4項)。


     もし、あなたが残業代の割増賃金をメーカーから支払って貰えなかったり、有給休暇の申請を不当に却下された場合などは、労働基準法違反の事実があるとして、労働基準監督署に申告し、指導して貰うことができます(同法第104条)。


     ただ、これはあくまでも「理屈」に過ぎず、勿論社会全体でその様に変えていかなければならないのでしょうが、実際にこの様な対応をされると、あなたが会社で居づらくなるという事態に遭遇することはある程度覚悟しなければならないでしょう。現実論としては、年2回、1回数時間程度で有れば割り切ってサービスに徹するか、あるいはメーカーの労働組合に相談するのが穏当に済ませる方法と言えるでしょう。

2015年07月11日 03時25分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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