パートタイマーに競業避止義務を課してもいいの?

Legalus編集部さん 2014年01月07日

 現在パートでスーパーのレジをしています。このスーパーの契約書に同業者の仕事は禁止と記載されています。もし同業者の仕事をしたら解雇されても仕方ないのでしょうか?



(40代:女性)

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Legalus編集部

     同業他社で就業しない義務を競業避止義務といいます。競業避止義務は、就業規則や雇用契約書において規定されることが多いです。競業避止義務違反は解雇とする旨の条項が無い場合には、競業避止義務に反したから即刻解雇ということはないと思われます。仮に解雇となった場合には、訴訟等の方法で雇い主に対してパートタイム従業員であることの地位確認請求をすることになります。



     競業避止義務は、会社のノウハウや人材などが同業他社に漏れることによって会社が不利益を被ることを防ぐという趣旨で設けられるものです。競業避止義務は被用者の職業選択の自由(憲法22条1項)を制約するものですので、公序良俗(民法90条)に反するものであってはなりません。裁判例において公序良俗に反するかどうかは、(1)従業員の地位・業務の性質、(2)ノウハウ等の要保護性、(3)勤続年数、(4)競業避止義務が課される期間、(5)代償措置の有無等を考慮要素として判断されることが多いようです。

    例えば、管理職で、高度の専門性を有するノウハウに触れていて、十分な報酬が支払われていたような場合には、公序良俗違反は認められにくいでしょう。他方、平社員で権限も低く、触れていた情報も特段保護に値しないものであり、基本給以外に何ら特別の手当も支払われていない場合には公序良俗違反は認められやすいでしょう。



     相談者の場合、パートタイム従業員ということですので、上記例でいうと後者の場合にあたるでしょう。ですので、相談者の勤めておられるスーパーのパートタイム従業員の雇用契約にある競業避止義務は公序良俗に反して無効となる可能性が高いといえます。無効と認められたならば、上記地位確認請求は認められるでしょう。
    したがって、仮に同業者の仕事をしていたことがスーパーの知るところとなり、解雇の話が出たとしても、上記の説明をすることで回避することができる可能性があります。ただ、実際に解雇されてしまった場合に、地位の確認請求をするのは費用も労力も要することですので、対応については考える必要があるでしょう。

2014年01月07日

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