社員が自身の退職情報を同業他社へもらいした場合の対処方法

User image 1 Monacoさん 2019年07月03日 19時05分

社員が自身の退職情報を同業種に漏らしていたことがわかりました。
次の人が見つかるまで、社内外には漏らさぬよう口頭で確認はしていたのですが、書面は交わしていません。
なぜ、漏らしたのか確認したところ、同業種だが個人的な友達なので話したとの回答でした。
退職情報がでると、つぎの人を探しにくいこともあり、社員へ確認していたのですが、
個人的な友達の場合も同業種の場合は、漏らしてはいけないということを
どのように説明したらよいでしょうか。
何か、該当する判例や法律はありますか。

単に退職の事実を漏らしただけなのか、それとも貴社の重要な営業情報・開発情報等を漏らしたか否かにより異なります。

前者であれば、退職時に一定の退職金を上乗せした上で、退職の事実自体の守秘義務について明確に合意書等を作成していないと、難しいでしょう。

一般に再就職の場合は履歴書の提出や、就労可能時期等確認しますので、労働者側から「再就職の相談のために、従前の勤務先を退職した事実を告げた」と主張された場合、職業選択の自由との関係上、違法とするのはなかなか容易でないと思われます。
労働者の退職後の競業避止義務に関してですが、双方の不利益を比較した上で、範囲・期間・場所の限定や相応の代償処置がない限り競業避止特約の効力は認められないとした例として奈良地判昭和45年10月23日等多数あります。
また、最高裁平成22年3月25日判決では、競業避止特約がない場合において、元労働者が同業会社の代表取締役となって従前の取引先に営業活動を行なった事案において、自身の人的関係を超えて、元勤務先の営業情報を利用したり、信用性をおとしめるなどの不当な営業行為を行なったとはいえないとして、損害賠償請求を棄却しています。

以上の点に照らすと、上記最高裁判例において、取引先への営業活動も不当な方法でない限り違法性なしとしている以上、単に退職の事実を告げたのみで守秘義務違反とすることは困難でしょう。

なお、仮に今後退職の事実に関する守秘義務契約を行う場合、実質的な再就職の制限となるおそれがあるため、競業避止義務の場合に準ずる要件を満たす必要があると思われます。

これに対し、会社の重要な製品開発情報を漏えいした事案において、守秘義務違反による損害賠償請求を認めた例としては東京地判平成14年12月20日などがあります。
また、重要な営業秘密を漏えいした場合には、不正競争防止法違反などにあたる場合があります。

2019年07月03日 20時04分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

関連Q&A

残業代の時効、どちらが正しいですか?

労働 2019年07月29日

未払いになっている残業代を一年程所属していた会社に請求しています。 去年、退職してすぐに労基署を通して請求したところ、相手は一部を支払ってきました。 その後、入社後最初の給料日から来月の8月20日で2年経つので、先月の6月1日、内容証...

裁判所は、他の裁判所の裁判を知れるのでしょうか?

労働 2019年07月18日

A県で不当解雇裁判をしていますが、同じA県の支部でも不当解雇の裁判をするかを検討しています。 不当解雇を二重でするのは、地位確認や、仮払いなどの点で、問題が起こりかねないそうです。 しかし別の裁判所なら、こちらが言わない限り知り得ない...

賃金仮払い決定までのアルバイトは仮払い金額に影響有り?

労働 2019年07月18日

不当解雇になり、訴訟の前に賃金仮払い仮処分・地位保全を申し立てました。 しかし雇用保険も出ない状況で困窮しています。 賃金仮払いの決定が出る前までの2ヶ月間限定で、2ヶ月の期限の定めの有る(更新無し)、月給25万円のアルバイトが見つか...

職場からの選挙投票強制

労働 2019年07月07日

職場がある政治家を応援しています。選挙投票日当日は投票に行くのを忘れる可能性があるので、期日前投票に行って投票済証明書をもらって提出してほしいと職場から言われています。職場が応援している政治家や政党に入れろとは言われてないのですが、投...

弁護士Q&Aを検索

問題は解決しましたか?

弁護士を検索して問い合わせる

弁護士Q&Aに質問を投稿する

ページ
トップへ