会社から2年前のボーナスの返還を求められた!

Legalus編集部さん 2016年03月10日

 平成24年9月末日をもって退職した会社から、平成23年6月に支給した賞与に誤りがあるから返還してくれと言われました。当方としては既に退職して一般企業に就職、以前のような賞与を貰える所に勤めてはおらず非常に困っております。

 返還に関しては法律上しなければならないのは解ってはおりますが、先方から「平成27年3月までに返還をしてくれ」との事、はっきり言って収入が減少した現在にあっては1ヶ月あたり1万円の返済は非常に苦しいのです。

 この場合、どんな状況でも相手のスケジュールに従って支払いをしなければならないのかと、誤支給となった額の全てを返還しなければならないのか教えていただきたく質問させていただきました。



(30代:男性)

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Legalus編集部

     まず、平成23年6月に支給された賞与がそもそも全く支給されない予定であったのに誤って支給されていた場合には、支給された全額を返還する必要があります。他方、当該賞与について過払いがあった場合には、過払い分だけを返還する必要があります。

     どちらの場合であっても、本来支給されるはずの無かった部分について、相談者は不当に利益を得ていた事になるので、以前の勤め先にその不当利得を返還する必要があるからです(民法703条)。

    また、相談者が本来支給されるはずがない賞与であったという事を知っていた場合には、賞与のうち余分に得ていた額に利息を付けて返還する必要があります(民法704条前段)。ただし今回の場合、相談者が過払い等の事実を知っていたかどうかの立証は会社側がしなければならない事ですので、仮に相談者が過払い等の事実を知っていたとしても自らすすんで「知っていた」と言う必要はありません。



     返還方法については、会社側と交渉されてみてはどうでしょうか。現在の収入が〇〇円で、生活するのに最低限〇〇円かかるので、一月当たり〇〇円であれば返還できる旨を伝えられるとよいでしょう。借金等の任意整理においては、金融機関や消費者金融に3~5年での返済スケジュールを組んでもらう事が多いようですので、一つの目安となります。



     また、賞与の誤給付があった年の相談者の所得額が変わることから、会社は年末調整のやり直しや源泉税の過誤納還付請求をすることになると思われます。会社側のこれらの手間と相談者から返還される賞与額との費用対効果次第では、不当利得返還請求権の放棄という和解をすることも可能ではないかと思われます。



     最後に時効についてですが、労働者が会社に給与や賞与を請求する権利は2年で時効により消滅します(労基法115条)。しかし、使用者から労働者に対する過払い部分についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は原則として10年となる(民法167条1項)と考えられます。したがって、今回は時効の主張は難しいでしょう。

2016年03月10日

就業規則・労働協約に強い弁護士

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