転勤を拒否できる理由とは?

User image 1 匿名ユーザーさん 2014年04月22日 02時54分

 この度、主人の働いている部署ごと、本社に移管することになりました。主人は、辞める(定年)まで本社勤務になります。そのため、単身赴任か家族移住、もしくは退職となります。単身赴任は5年間家賃がでますが、その後は自己負担になるので、とても金銭的に無理です。家族移住は私も正社員で働いているため収入がなくなると、生活が出来なくなってしまいます。現在は、私の祖父名義の土地上に、主人名義の建物を建てて住んでいます。土地と建物で名義が異なるので、売るのも貸すのも難しい状態です。このような場合、転勤拒否の正当な理由になりますか?



(20代:女性)

匿名弁護士

 金銭的な負担が大きくなるという理由のみで転勤を拒否するのは難しいでしょう。



 転勤など、使用者が労働者に対して一方的に人事異動を命じることを「配転命令」といいます。配転は、労働者の生活に多大な影響を与えることが多いため、そもそも会社が配転命令を出せるのかがまず問題となります。

 いくつかの考え方がありますが、一般には、就業規則労働規則などに「業務上必要があるときは配転を命じることがある」という条項がある場合は、労働契約上、労働者には配転に従う義務が含まれていると考えられています。

 ご相談の場合も、まずはご主人の会社の就業規則等にこのような定めがあるかを確認しましょう。仮に、このような定めがあっても、ご主人と会社との間で個別的に、勤務地を限定する約束がなされている場合は、転勤命令に従う必要はありません。



 次に、転勤命令に根拠がある場合でも、会社が自由に配転命令を出せるわけではありません。(1)業務上の必要性があるか、(2)不当な動機はないか、(3)労働者の受ける不利益が通常甘んじるべき程度を著しく超えるものではないか、について判断し、これらに反する場合の配転命令は権利の濫用として無効とされます。



 ご相談の場合は、ご主人の勤務する部署ごと本社に移管することになったとのことなので、おそらく(1)業務上の必要性はあると認められるでしょう。また、ご主人に対する嫌がらせ目的の配転である等の事情がない限り、(2)不当な動機もないといえるでしょう。

 そこで、(3)労働者の受ける不利益が通常甘んじるべき程度を著しく超えるものではないかどうかが問題になります。

 配転すると病気の家族の介護や看護ができなくなるといった事情があると、通常甘んじるべき程度を著しく超えると認められやすいようです。

 裁判例としては、子供二人及び両親の健康状態などから、転居も単身赴任も困難であり、配転は通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるもので無効であるとした例があります(札幌地裁平成9年7月23日)。



 ただ、配転に応じると家族の事情により単身赴任せざるを得ないといった事情は、通常甘んじるべき程度を著しく超える不利益であると認められることは難しいようです。

 メールの限りの事情だけでは判断することが難しいのですが、ご相談の場合のように転勤により金銭的な負担が大きくなるという理由だけでは、転勤を拒否するのは難しいかもしれません。

2014年04月22日 02時54分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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