計画停電で仕事にならない!給与はどうなる??

Legalus編集部さん 2014年01月07日

 営業所の事務系管理職をしています。



 東北地方の震災に伴い、クライアントから「営業活動の自粛」を依頼されており、経営的には大変厳しい状況です。



 また、東電の計画停電中は、事務機器も電話も使えないので仕事になりません。



 停電中に部下を帰宅させたときには、賃金は満額支払わなければならないのでしょうか?



 暗闇のなかで事実上やることがない状態です。



(30代:男性)

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Legalus編集部

     原則として、地震等(自身に起因する計画停電も含む)により、事務機器も電話も使えず事実上操業停止になるなどやむを得ない事由がある場合には、一時帰休を命じても使用者の労務受領遅滞にはあたらず、使用者に帰責事由のない労務提供義務の履行不能の場合として、労働者は賃金請求権を有しないこととなるので(民法536条)、使用者は給料を支払う義務を負いません。



     もっとも、この場合の一時帰休も合理性のあるものでなければなりません。



     そして、合理性の有無は,具体的には,帰休制実施によって労働者が被る不利益の程度,使用者側の帰休制実施の必要性の内容・程度,労働組合等との交渉の経緯,他の労働組合または他の従業員の対応等を総合考慮して判断すべきとされています(横浜地裁平成12年12月14日判決)。



     そして、本件のように東日本大震災に起因する計画停電が原因での一時帰休は、合理性があると判断される可能性が高いと考えられます。



     したがって、本件の一時帰休においては民法上賃金支払い義務を負わないと言えるでしょう。



     また、労基法26条は、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と規定しています。



     もっとも、厚労省は「計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないこと」という見解を採用しています。



     (厚労省HP「計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の取扱いについて」を参照してください)



     したがって、本件では労基法上も賃金の支払い義務は無いといえます。



     以上より、原則として、本件一時帰休においては従業員に当該帰休期間の賃金を支払う必要はないと言えます。



     

     もっとも、任意で給与を支払い、国から雇用調整一時金を受け取るということもできます。



     つまり、東日本大震災によって休業等を実施し、休業に係る手当等を労働者に支払った事業主に対しては雇用調整助成金(労働者に支払った手当の80%~90%、1人1日7,505円が上限)が支給されます。



     そしてこの雇用調整助成金は、計画停電による休業もその対象とされています。



     雇用調整助成金に関して詳しくは厚生労働省のHPを参照してください。

2014年01月07日

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