請負契約でも夜間手当がもらえる!?

User image 1 Legalus編集部さん 2014年01月07日

 主人は溶接の一人親方として、ある鉄工所で仕事を請け負い、鉄工所内で仕事をしています。始めの3ヶ月ほどは8時~17時までで時給1700円でしたが、その後は夜勤になり19時~4時で時給は昼間と同じ1700円です。会社側と話したら、嫌なら辞めて貰うと言われたそうです。社員でなくて、請負だと、深夜手当は付かないものでしょうか?

 時給を深夜分、上げてほしいのですが、応じて貰えません。良い方法はありますか?



(50歳以上:女性)

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Legalus編集部

     労働基準法(労基法)37条4項は、使用者が労働者に午後10時から翌午前5時まで労働させた場合は、通常の時給に25%の割増賃金を上乗せして支払わなければならないと定めています。

     そして、労働基準法の適用対象となる「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に「使用される」者で、賃金を支払われる者をいいます(労基法9条)。

     「使用される」とは、雇用契約かどうかといった契約の形態や、契約期間・時間の長短ではなく、実質的に使用者と使用従属関係にあるか否かによって決定されます。そのため、「委任」「請負」等の契約形式が取られていても、実質的に使用従属関係があれば「労働者」に該当します。

     使用従属関係は、「指揮監督関係の有無」及び「報酬の労務代償性」によって決まります。具体的には、(1)仕事の依頼に対する諾否の自由の有無、(2)業務遂行上の指揮監督の有無、(3)拘束の程度、(4)代替性の有無(以上が指揮監督関係の有無に関する事項です。)及び(5)報酬の性格によって決まります。



     各判断要素に関しては以下のように考えます。

     (1)仕事の依頼に対する諾否の自由の有無があれば、対等な当事者として指揮監督関係が否定されます。(2)業務遂行上、その内容や方法について具体的な指示を受けている場合には指揮監督関係が肯定されやすくなります。(3)勤務場所や勤務時間が指定され、管理されていることは指揮監督関係を肯定する要素です。(4)本人の意思で他の者に労務を提供させることが認められている場合(請負の場合であれば下請けが認められている場合)ことは指揮監督関係が否定される要素の一つです。(5)報酬の性格が使用者の指揮監督の下に一定時間労務を提供していることに対する対価と判断される場合には、使用・従属関係を補強することになります。



     ご主人の場合、勤務場所及び勤務時間が指定されていることから(3)の基準を満たしており、時給制が採られていることから(5)の基準も満たされています。また、会社側の「嫌なら辞めてもらう」という発言から、(1)仕事の依頼に対する諾否の自由がないであろうことも伺えます。これらの事情から、ご主人は労基法上の「労働者」に該当する可能性は高いといえます。ただ、労働者性の判断は上記基準を総合的に考慮して判断されるものですので、このことのみをもって、ご主人が労基法上の「労働者」に該当するとはいえません。

     ですので、一度上記基準、とりわけ残りの(2)及び(4)を参考に会社とご主人の間に「実質的に使用者と使用・従属関係」があるか否かを検討してみてください。また、労働基準監督署に相談するのもいいかもしれません。



     そのうえで、労基法9条の「労働者」にあたるのではないかと判断された場合には、当該会社は本来支払うべき夜間割増賃金を支払っていないので、労働基準監督署に通報するとともに会社側に未払い分を請求されるとよいでしょう。



    厚生労働省HP・全国労働基準監督署の所在案内」l



     なお、賃金請求権は2年で時効消滅するので(労基法115条)気を付けてください。

2014年01月07日

給料・ボーナスに強い弁護士

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