職種によって休業補償は支給されないの?

Legalus編集部さん 2015年07月11日

 昨年、会社を退職した従業員が労働基準監督署に休業補償を求めて訴えました。退職前月に仕事がないと言って休ませた10日間(実際は退職までの12日間)の休業補償を求めたものです。会社は「労働基準監督署から職種によっては休業補償を支払わなくてもよい。と回答をもらった」と言って休業補償をしなかったようです、この様なことはありますか。



(50代:男性)

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Legalus編集部

     「休業」とは、労働者が労働契約に従って労働を提供する準備をし、かつ、労働するという意思があるにもかかわらず、使用者に労働の提供を拒否され、または不可能となった場合をいいます。相談のように「仕事が無い」と言って社員を休ませる事は「休業」にあたります。

     この場合、民法536条によると債権者(会社)に休業の責任があるときには、労働者はその分の給料を全額会社に請求できます。

     次に、労働基準法26条によると休業の責任が使用者にあるときには、平均賃金の6割以上の休業手当の支給を請求することができます。

     民法536条の規定は、当事者の合意により、その適用を排除することができるので、雇用契約書などでこの点が排除されている場合には、民法による請求は出来ません。他方、労働基準法26条の場合は、当事者の合意によって排除する事は出来ません。

     また、両方とも会社側に責任がある場合に給料等が請求可能ですが、労働基準法の方が民法のそれより広く、「企業経営者として不可抗力を主張しえない一切の事由」を含み、労働基準法の範囲は、「使用者側に起因する経営・管理上の障害」を広く含むと考えられています(最高裁昭和62年7月17日判決)。

     また、民法の規定はもちろん労働基準法の規定も、職種による制限は存在しません。

     経営難による休業についても、企業経営上当然予見できるような休業については、原則として、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」に該当し、平均賃金の6割以上の休業手当の支給を請求できると考えられます。ですので、今回の場合も最低限6割以上の休業手当を請求する事が可能であると考えられます。「仕事が無い」事情にもよりますが、民法による請求は会社側の責任の点で主張が難しいでしょう。

2015年07月11日

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