給料から損害賠償の天引きは可能?

User image 1 匿名ユーザーさん 2015年07月16日 23時54分

 夫はサービス業で店長をしておりますが、そのお店の売上金が50万円紛失したそうで、責任者である夫が管理不行き届きの為、全額を給料から差し引くと言われました。最初は来月の給料を全くゼロで、次月は足りない分を差し引くと言われましたが、「小さな子供もいる家庭で、ゼロではとうていやっていけない」と言うと、「分割で取る」と言います。でも本当に払う義務はあるのでしょうか?

(20代後半:女性)

匿名弁護士

 仮に店の売上金の紛失があなたの夫の管理不行き届きによるものである場合、会社からの損害賠償請求そのものを拒むことはできません。しかし、会社が一方的に損害賠償を賃金から天引きすること(損害賠償請求権と賃金債権の相殺)は認められません。


 労働基準法24条1項は、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定めています。このうち、おたずねのケースで問題となるのは、「全額を支払わなければならない」という部分(全額払いの原則)についてです。
 この原則は、使用者が労働者に対して有する債権を一方的に労働者の賃金債権と相殺することも禁ずるものと解されています。これを許すと賃金を確実に労働者に受領させるという本原則の趣旨に反することになるからです。
 したがって、おたずねのケースでも、使用者による一方的な相殺は許されないと考えられます。


 もっとも、労働者の同意を得て相殺をすることは、その同意が労働者の自由な意思に基づくものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在する時は、同法24条1項に反しないとする判例があります。



 以上より、単なる口約束でなく、書面で相殺を認める旨の同意が示されているような場合を除き、会社が損害賠償請求権と賃金債権を相殺することは認められないことになります。

 使用者の所在地の労働基準監督署に相談すると、指導をしてくれることがありますので、一度相談されてみてはいかがでしょうか。

2015年07月16日 23時54分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

関連Q&A

会社からの一方的な、自己負担のかかる、自動車任意保険の補償の上乗せ要求は応じなければならないのでしょうか?

給料・ボーナス 2018年01月17日

約8キロの距離を自動車で通勤しています。 先月、会社から、任意保険の対物補償を無制限にするよう通達されました。 会社はここ十数年、時間給は据え置き、社会保障負担金だけ増加し、実質的に収入減が続いています。 さらに、月給制に移行しました...

寸志が給与から引かれている。これって問題ない?

給料・ボーナス 2017年12月27日

私が勤めている会社は零細企業ですが、夏と年末に寸志が出るのですが、その支給される月(8月、12月)の給与から、前払金として出ているのです。 今までいろんな会社に勤めましたが、こんなのは初めてです。 法律的には問題ないのでしょうか?また...

キャバクラの給料支払いについて

給料・ボーナス 2017年11月28日

私は10月位からキャバクラで働いていました。 家庭の事情もあり、10月の終わりに辞めたいと言ったのですが 週に1回でもいいから!と店長に言われたのでそのまま働いていました。 が、11月に入り三歳の子供が肺炎になり旦那と話し合った結果、...

給料(家賃)を会社のミスにより不正受給していることが発覚し、差額を一括で返金しろと言われています

給料・ボーナス 2017年09月11日

先日、会社から家賃の計算が間違っていたので、不正受給分(差額)について 返還してほしいと言われました。今年、家賃補助がちょうど切れるということで気が付いたようです。 私はある企業のグループの会社にいましたが、A会社からB会社に転籍する...

問題は解決しましたか?

弁護士を検索して問い合わせる

弁護士Q&Aに質問を投稿する

給料・ボーナスに強い弁護士

退職トラブルについては当職へご相談ください。お話を真摯に伺い、最良の選択肢を提案します。

じっくりとお話をうかがい“最適な解決”をご提案します。

【初回相談無料】【土日祝日/夜間相談可】一つ一つのご相談について、真摯な対応を心掛けております。

ベンチャー企業・中小企業の法務サポートを専門業務にし、IPO等のイグジットのほか企業が目指すビジョンの実現のた...

ページ
トップへ