変形労働時間制はどんな場合が違法になるのでしょうか?

Legalus編集部さん 2016年01月19日

 変形労働時間制についてお聞きします。私の勤めている会社は一ヶ月単位の変形労働時間制で運営されています。ただ毎月が変形労働時間ですので、結局は一年中変形労働時間です。変形労働時間というのは、特定の忙しい時期のみ適用されるものではないのでしょうか?

 また従業員が10名以下の販売業のため、週44時間で計算され、就業規則もないようです。当然労働組合もなく、社員の代表者である店長も変形労働時間制の説明を受けたり了承をした覚えは無いということです。

 どこまでが許されてどこまでがダメなのか、教えていただければ幸いです。



(50代:男性)

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Legalus編集部

     変形労働時間制とは、簡単に言えば繁閑の差が激しい職場において、弾力的に労働時間を組んで労働時間の短縮化を進められる制度です。



     1か月単位の変形労働時間制の場合、「使用者は、労使協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間(特例事業の場合は44時間)を超えない定めをしたときは、その定めにより、特定された週において40時間(特例事業の場合は44時間)又は特定された日において8時間を超えて、労働させることができる。使用者は、当該労使協定を所轄の労働基準監督署長に届け出なければならない」とされています(労働基準法32条の2)。



     より具体的には、(起算日を明らかにした)1か月間内において、各日、各週の労働時間をあらかじめ決めておき、これを労働者に対して周知徹底することが求められます。そして、1週間の平均労働時間が40時間(特例事業では44時間)以内におさまっている必要があります。例えば、月末に忙しくなる職場の場合、月末近くを1日9時間労働にしておき、月初は1日6時間に抑えるというやり方がありえます。



     特例事業には複数の業種があります。ご相談いただいた販売業も含まれるため、週44時間というのは違法とはならない可能性があります。

     ただ、変形労働時間制の導入に当たっては、上記の取り決めについて就業規則もしくは労使協定に定めを設けなければなりません。ご相談者の方がおっしゃるように、就業規則がなく、労使協定も結ばれていないということであれば違法になります。



     また、変形労働時間制といっても残業代を支払わなくて良いというわけではありません。



    1. 1日の法定労働時間外労働

    2. 1週の法定労働時間外労働

    3. 対象期間の法定労働時間外労働



    など、さまざまに残業代の支払いが生じる場合があります。したがって、「変形労働時間制だから残業はナシ」ということをいわれていれば、残業代の不払いが生じている可能性はあります。

     いずれにしても、変形労働時間制を導入する場合は、所轄の労働監督基準局への届出が必要になりますので、不安な点、疑問点を問い合わせてみるのが解決の早道になると思われます。

2016年01月19日

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