妊娠中の勤務医に当直を強制できる?

Legalus編集部さん 2014年10月30日

 現在某病院の勤務医をしており、妊娠3ヶ月です。
  通常業務は週5日、朝8時より夜19時までの11時間勤務です。
  土日は回診(1~2時間)とそのほか待機当番(日中、夜中に急患が来院の際、病院に呼ばれる当番です。)をしております。
  更に当直もするようにとの病院からの申し出がありました。現在夜間の悪阻がひどく、当直業務は難しいと思われるのですが、病院側としては、妊婦の当直免除の決まりはないとの事で、妊娠9ヶ月の産休直前まで当直業務をする様にと言われております。
  母子手帳には、妊婦の申し出があれば、夜間業務(夜10時より朝5時)は免除されるの旨が記載されているのですが、それは法律で決まっていることなのでしょうか?
  もし、法律で決まっていることでしたら、文書なり何らかの形で法律の力を借りて、事業主と角の立たない形で当直業務を避けたいのですが、可能でしょうか?

(30代:女性)

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Legalus編集部

     母子手帳記載の深夜労働の禁止は、労働基準法により妊産婦(妊娠中か産後1年未満の女性)に認められている権利です。
      妊婦の母体と胎児を保護する為、妊婦が請求した場合には、使用者(雇用主)はフレックスタイム等の変形労働時間制(労働基準法32条の232条の432条の5)によっても「1週間に40時間、1日8時間まで」との法定労働時間同法32条)をこえる労働をさせてはならず(同法66条1項)、また、非常事由(同法33条1項)または36協定(労使協定同法36条)による時間外・休日労働をさせてはならないし(同法66条2項)、深夜業をさせてもなりません(同法66条3項)。これらの規定には罰則規定も設けられており、違反した場合には6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます(同法119条1号)。
      もっとも、病院側としては、あなたが医師であることから、あなたが「監督もしくは管理の地位にある者」として、労働基準法上の労働時間・休憩・休日の原則そのものの適用が除外される(同法41条)旨主張するかも知れません。
      しかしながら、例えあなたが「監督もしくは管理の地位にある者」にあたるとしても同法41条で適用除外されるのは労働時間・休憩・休日の原則だけであり深夜業の規制に関する規定は適用されますので当直をさせることは許されませんし、そもそも勤務医は「監督もしくは管理の地位にある者」にはあたらず、労働基準法上の労働時間・休憩・休日の原則が適用されると考えられます。
      この点、いわゆる関西医大研修医過労死事件にて大阪地裁は、研修医は労働基準法上の労働者にあたり、労働基準法の適用を受けるとの画期的判断を下しました(平成13年8月30日)。
      つまり、労働基準法上の「管理監督者」とは一般的な病院の職階制の管理監督者とは異なり、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にある者の意味であり、呼び名にとらわれず実態に則し判断すべきであるところ(昭和22年9月13日次官通達15号。昭和63年3月14日労働基準局長通達150号。)、勤務医は自己の勤務形態を選択することができませんので労働基準法上の「管理監督者」にはあたらないと考えられるのです。某大手ファーストフード店の店長による未払い残業代請求事件にて同店長が労働基準法上の「管理監督者」にはあたらないとされた判決が記憶に新しいかと思いますが、それとパラレルな議論という事です。
      ですから、あなたが使用者である病院に請求すれば深夜業である当直は法律上は免除されることになります。とはいえ、病院と角をたてずに一個人が交渉するのは実際問題としては困難を伴うことも十分予想されます。
      そこで、1.労働基準法のコピーを持参して病院側と話し合う、2.労働基準監督署の無料相談窓口を利用する等して病院の労働基準法違反を申告し労働基準監督署の監督権の発動を促してみる(同法第104条1項)、3.弁護士に交渉を依頼する、といった方法を試されてはいかがでしょうか。

2014年10月30日

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