「名ばかり管理職」の残業代

Legalus編集部さん 2014年01月07日

 最近転職をしました。募集は「店長」という管理監督者でした。面接の際会社から示された労働契約書には、賃金や労働時間等の記載はありましたが「管理監督者」であることから時間外手当は一切支払わない記載がありました。

 
しかし、入社してみると、朝9時から夜の8時、9時まで仕事に追われることも多く、毎日タイムカードや業務日報に管理され、賃金も税込み20万円です。このように、ある意味責任のみ負わされ、使いたい放題されることに疑問を感じています。この場合、会社に対して週40時間を超える部分の手当等の請求はできるのでしょうか?



(40代:男性)

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Legalus編集部

     実質的にみて管理職といえなければ、残業代を請求することができます。


     使用者側の立場で、一般の労働者の管理にあたる「管理監督者」には、法律上の労働時間の規制がありません(労働基準法41条)。

     
    管理監督者の場合、自分自身が労働時間についての裁量権を持っている立場にあるので、法律による保護になじまないと考えられているからです。


     しかし、業務や処遇の実態からして「管理監督者」といえないのであれば、会社がどんな役職名をつけていようと、残業代は当然支給されるべきです。


     具体的に、管理監督者といえるか否かの判断は、以下のような事情から判断されます。



    1. 労務の管理について経営者と一体的な立場にあること

      仕事の割り振りや、従業員の管理といった経営者的な決定について、ある程度発言権がある必要があります。会社の人員配置により仕事をこなさなければならない立場の人は、管理監督者ではありません。

    2. 労働時間に関する自己裁量性があること

      出勤時間や休憩時間、いつ休みを取るかという事などに関して、自分で自由に決定できる権限を持っている必要があります。勤務時間が決められているのであれば、管理されている労働者であって、管理監督者ではありません。

    3. その地位と職責に相応した処遇を受けていること

      賃金体系を中心とした処遇が、一般の従業員と比較して、その地位と職責にふさわしいほど優遇されていることが必要です。


     このように、労働基準法上の「管理監督者」といえるためには、高いハードルをクリアしなければなりません。実際のところ、管理監督者であるかどうかが争われた判例で、会社側の管理監督者であるという主張が認められたケースはほとんどないようです。

     
    ご相談の場合も、毎日タイムカードや業務日報に管理されているとのことですので、おそらく管理監督者であるとはいえないでしょう。

     
    よって、会社に対して、残業代を請求することができます。個人で交渉することに不安があれば、組合などを通して交渉しましょう。

2014年01月07日

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