お金を消費者金融やカード会社から借りているが、利息はどんどん膨らみ返済がなかなか進まない、という人は多いはずです。
お金を借りた人(債務者)の中には、毎月の返済が大きな負担となり、本人や家族の生活を圧迫する状態となっているかもしれません。
そんな時は「国が認めた借金救済制度」の活用を検討してみましょう。
とはいえ、国が認めた借金救済制度は本当に信用に足るものなのか、疑問に思う債務者はいるかもしれません。
そこで今回は、国が認めた借金救済制度の種類・特徴、申請方法や注意点等について紹介します。
私達がリサーチした内容をまとめたこの記事を読めば、債務者のニーズに合った借金救済制度の種類、そのメリット・デメリットがよくおわかりになるはずです。
目次
国が認めた借金救済制度とは?
借金救済制度とは、国が認めた合法的な借金減額・免除のための方法を指します。SNSでも借金救済制度の広告が目立っています。
確かに借金救済制度はあるものの、いろいろな種類や利点があり、逆に注意点も存在します。
また、借金救済制度を利用する際、その条件に合致しなければいけない場合もあるので、その特徴を把握し、自分の状況に合った借金救済制度を選ぶ必要があるでしょう。
借金救済制度の種類とその特徴
国が認めた借金救済制度とは大きく分けて「債務整理」「過払い金返還請求」の2種類です。そのうち債務整理は「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」に分かれます。
こちらでは、それぞれの特徴について解説しましょう。
任意整理
任意整理は債務者(借金をした本人)と債権者(お金を貸した側)とで、借金返済について交渉し、双方が合意して行う債務整理です。
任意整理は法律で明文化されていません。あくまで債務者・債権者とが話し合い、お互いに納得すれば借金の利息の減額、返済期間の延長も期待できます。
特定調停
特定調停は債務者の申立で、簡易裁判所が債務者・債権者との話し合いを仲裁、返済条件の軽減等の合意を働きかけ、債務者の借金を軽減できるよう支援する制度です。
任意整理の交渉がうまくいかなかったとき、話し合いの場を簡易裁判所に移し、和解を図る場合にとられる方法でもあります。
個人再生
個人再生は、大幅に借金額が減額(最大1/5まで)される債務整理です。こちらは地方裁判所に申し立てる必要があります。
更に個人再生は、主に自営業者等が対象となる「小規模個人再生」、給与所得者が対象となる「給与所得等再生」の2種類に分かれます。
自己破産
自己破産は、債務者がもはや借金返済のできないことを地方裁判所から認めてもらい、その支払い義務を免除してもらう手続きです。
自己破産には大きく分けて次の2種類があります。
管財事件 | 債務者に処分可能な財産がある、と地方裁判所の認定を受けた場合にとられる手続き。破産管財人が選任され予納金を支払う必要もある。なお、弁護士が代理人に就任するのを条件として、予納金を少額に抑える「少額管財」も認められている。 |
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同時廃止事件 | 債務者に処分可能な財産がない、と地方裁判所の認定を受けた場合にとられる手続き。破産管財人は選任されない。 |
過払い金返還請求
過払い金とは、利息制限法の上限金利で算定される金利額を超え、余分に支払ったお金を指します。完済後や返済中に過払い金が発生していた場合は、対象となる債権者に返還請求が可能です。
返還請求の方法は交渉で解決する方法、裁判で解決する方法の2種類があります。
SNS広告でよく見かけるけど信用して良いの?
弁護士事務所や司法書士事務所のSNS広告では、債務整理や過払い金返還請求の話題をよく見かけます。
債務整理・過払い金返還請求の借金救済制度自体は、国が認めた制度として信用できます。
任意整理 | 法律で明記されてはいないが、国の債務整理の紹介等で掲載されている(例:金融庁「任意整理のイメージ」)。 |
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特定調停 | 「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」にて法定されている。 |
個人再生 | 「民事再生法」にて小規模個人再生(同法第221条以下)、給与所得者等再生(同法第239条以下)が法定されている。 |
自己破産 | 「破産法」にて法定されている。 |
過払い金返還請求 | 最高裁判所の判決(平成18年1月13日最高裁判所第二小法廷判決)で、グレーゾーン金利にあたる利息の支払いは無効と判示される。その後2010年6月18日に改正貸金業法が完全施行、出資法の金利は20%までに限定され、グレーゾーン金利は撤廃。払い過ぎたお金は返還請求が認められた。 |
ただし、借金救済制度を利用する場合は、それぞれ適切な手続きが行われなければいけません。
さまざまな債務整理の手続きと申請方法
債務整理・過払い金返還請求それぞれの手続き・申請方法について解説しましょう。
任意整理
任意整理では裁判所の関与がなく、協議に応じてくれそうな債権者を選んで話し合いができます。手順は次の通りです。
①債務調査:貸主(消費者金融・カード会社等)・借りた年月日、返済金額・返済期限を確認。
↓
②債務確定:利息制限法の利率で計算後、残債務を把握。
↓
③整理案作成:軽減案・弁済方法(一括弁済案または分割弁済案)を選定。
↓
④交渉開始:債権者と交渉する。
↓
⑤債権者との合意:債権者が納得したら和解契約を締結、その内容に従い返済していく。
当然、この流れ通りに話し合いが進むとは限りません。説得力のある整理案を作成するには法律の専門家のサポートが必要となるでしょう。
特定調停
特定調停では簡易裁判所に申し立てる必要があります。裁判所は関与しますが、あくまで当事者の調停・和解を図るという役割にとどまります。手順は次の通りです。
①書類の事前準備:申立書・提出書類を作成・収集。
↓
②簡易裁判所へ申し立て:申立書等を提出、費用を支払う。
↓
③事件受付票の交付・調査期日の指定:裁判所が事件受付票を交付、調査期日決定。
↓
④調停委員の選任:裁判所が調停委員名簿に基づいて、調停委員を選任。
↓
⑤調査期日:調停委員・本人が債務状況の確認等を行い、資料をもとに返済計画作成。
↓
⑥第1回調停期日:調停委員と各債権者の調停開始。
↓
⑦調停調書の作成または決定:各債権者が返済計画に同意をした場合は調書作成。同意をした場合、調停委員会が調停条項を定め決定する。
債権者が異議を述べ和解不成立となった場合、個人再生や自己破産等、別の方法で借金問題の解決を図ることになるでしょう。
個人再生
個人再生は地方裁判所に申し立て手続きを進めていきます。手順は次の通りです。
①書類の事前準備:申立書・提出書類を作成・収集。
↓
②地方裁判所へ申し立て:申立書等を提出、必要な費用を支払う。
↓
③個人再生手続開始決定:裁判所または再生委員の面接を経る。履行テストが行われる場合もある。
↓
④再生債権の届出:裁判所から債権者へ再生手続開始決定書・債権届出書が送付される。
↓
⑤再生計画案の提出:債務者は再生計画案作成・提出。
↓
⑥再生計画案の書面決議または債権者の意見聴取:小規模個人再生 → 書面決議、給与所得者等再生→決議不要。
↓
⑦個人再生認可決定:再生計画案が認可され再生計画案確定。返済開始。
自己破産
自己破産は地方裁判所に申し立て手続きを進めていきます。借金全額を免責する手続きである以上、債権者から激しい反発を受けるおそれもあります。
手順は次の通りです。
①書類の事前準備:申立書・提出書類を作成・収集。
↓
②地方裁判所へ申し立て:自己破産の申立書等を提出、必要な費用を支払う。
↓
③破産手続開始決定:管財事件→破産管財人を選任、同時廃止事件→破産手続開始決定と同時に終結。
↓
④債権者集会:破産管財人が破産者の財産・債務の状況を調査し、結果を債権者に報告。
↓
⑤換価・債権者に配当:破産者の財産は基本的に換価、債権者へ配当し破産手続終結
↓
⑥免責許可決定:裁判所が免責の可否を判断。問題が無いなら免責決定。
なお、債権者集会は複数回開催される場合があります。
過払い金返還請求
まず過払い金の発生している可能性を探る必要があります。次のような条件にあてはまれば、過払い金の発生している可能性が高いです。
- 借入契約を2010年6月以前に行った(グレーゾーン金利)
- 完済後、まだ10年を経過していない
グレーゾーン金利とは利息制限法の上限金利(15〜20%)と、かつて出資法で設定されていた上限金利(29.2%)の間の金利を指します。
過払い金返還請求の手順は次の通りです。
①引き直し計算:弁護士等が利息制限法の上限金利に合わせ引き直し計算。過払い金額を正確に算出する。
↓
②過払い金返還請求書を送付:過払い金返還請求書を作成し、債権者へ送付する。
↓
③任意交渉開始:債権者と話し合いを行う(任意交渉)。合意ができれば過払い金の返還方法、期日等を決める。
↓
④過払い金請求訴訟:任意交渉が不調に終わった場合、裁判所に訴えて過払い金請求を行う。
借金救済制度を利用するメリット
借金救済制度をうまく活用すれば、借金の軽減・免除が図れる等、債務者にとって有利な状況となります。
借金が軽減・免除される
任意整理や特定調停では利息の免除や返済期間の延長が図れて、個人再生では借金の大幅な減額が期待できます。また、自己破産が認められれば返済すら免除されます。
借入契約時に設定した返済内容では、あまりに重い負担となってしまい、完済が非常に難しい状態かもしれません。しかし、借金救済制度を利用すれば返済の目途がたち易くなり、返済義務からの解放も期待できます。
速やかな生活再建を図れる
毎月の返済に追われている間はなかなか生活費のお金が回らず、債務者本人・家族の生活が困窮する事態になっていたかもしれません。
また、子供が小さいうちならば、さほど費用はかからないものの、成長するに従い教育費等の増加が懸念されます。
債務者本人に資金の余裕のない状態が続けば、子供が進学を諦めてしまう可能性もあるでしょう。
借金救済制度を利用すれば、借金の軽減・免除が期待でき、本人・家族の迅速な生活再建が図れます。
借金救済制度を利用するデメリットとリスク
借金救済制度を活用する前にメリットばかりではなく、デメリットや気を付けるべき点も確認しておく必要があります。
条件や手続きが煩雑となる借金救済制度もある
特に個人再生・自己破産は地方裁判所に申し立てて慎重な審理が行われます。そのため、申立ての際の書類(申立書・陳述書・財産目録・債権者一覧表等)、費用(予納金等)の収集・提出が必要です。
債務者本人だけで対応するのには限界があり、法律の専門家のサポートが必要となるでしょう。
また、債務整理や過払い金返還請求は数週間程度で認められるわけではありません。解決までに3ヶ月〜1年程度かかる可能性があります。
借金救済制度を利用する際は、長期間にわたり借金救済の手続きを行う時間的な余裕の有無や、精神的・肉体的な疲労も考慮に入れておきましょう。
債権者の反発を招く
債権者である銀行・消費者金融・カード会社は、債務者に借金救済制度を利用されてしまうと、貸したお金の減額や全くお金が戻ってこない、という事態となってしまいます。
そのため、借金救済制度を利用した債務者に強い反発を覚え、以後、債務者の借入の申し入れに一切応じなくなる可能性があります。
借金問題が解決した後も、借金をする可能性がある人は、救済制度に頼らず自力で返済できないか、よく検討した方が良いでしょう。
借金救済制度を利用するとブラックリストにのる?
いわゆる「ブラックリストにのる」とは、借金救済制度を利用された、遅延損害金が発生した、催促されてもそれに応じず延滞が続いているという場合、借入先である消費者金融・金融機関側が「事故情報」として信用情報機関に登録する対応を指します。
こちらではブラックリストの登録先、ブラックリストにのるとどうなるのかについて解説しましょう。
ブラックリストの登録先について
信用情報とは、債務者の借金やクレジットカードの取引に関する履歴です。債権者がお金を貸す以上、借入を希望する人が誠実かどうか判断しなければいけません。
信用情報でチェックするのは概ね次のような事実です。
- 借入金の完済の有無
- 借入れに関するトラブルの有無(借金救済制度を利用したか否か)
- 過去の延滞の有無
借金救済制度を利用したり、返済が滞ったりすれば、自分の信用情報に「傷がつく」こととなるのです。
そして、信用情報機関とは信用情報を管理する団体です。この団体は国の機関というわけではなく、一般社団法人や株式会社が、情報の管理を担っています。
信用情報機関は次の3社です。下表をご覧ください。
信用情報機関 | 加盟している法人等 | 事故情報 登録期間 |
---|---|---|
株式会社日本信用情報機構 (JICC) |
主に消費者金融、商工ローン業者、クレジットカード会社(信販会社)、ローン会社等の事業者が加盟 | 5年以内 |
株式会社シー・アイ・シー (CIC) |
主に各種ローン会社、リース会社、貸金業を行う保険会社、メーカー系金融機関等の事業者が加盟 | 5年以内 |
全国銀行個人信用情報センター (KSC) |
銀行の他、信用金庫、信用組合、農協組合、政府系金融機関、信用保証協会等も加盟 | 7年を超えない期間 |
なお、借金を完済後の過払い金返還請求に関して、ブラックリストにはのりませんので安心してください。
ブラックリストにのると想定される事態
ブラックリストにのっている間は、クレジットカードを作成できず、新たなローンも組めません。
もちろん、ブラックリストへ永遠に記録されるわけではなく、登録期間は前述したように5年〜7年程度と定められています。
ただし、登録期間経過後すぐに借入契約やクレジットカードの新規作成ができるか否かは、各金融機関・カード会社次第です。
債務者本人の事故情報を申込先が保管していた場合、以前のブラックリストにのった経歴を理由として、利用を拒否される可能性もゼロではありません。
実際に利用した人の体験談
借金救済制度を利用した方々の体験は、インターネット内に数多く掲載されています。一部をとりあげましょう。
任意整理の体験談
任意整理が認められても、コツコツ返済するのに変わりはないが、生活は安定したという感想が多いです。
引用:https://twitter.com/hattermassaa/status/1453221353851473920
「以前から自分の借金の状況をどうにかしなきゃって思っていたので、いろいろ調べていました。(中略)そこで、利息をカットしてしかも借金の返済回数も減らせるということで任意整理を選びましたね。(中略)手続きは全て弁護士の先生がやってくれました。支払い回数は大幅に減り、元金も減り、利息は全部カットされました。このおかげで、月々の返済額が大幅に減り、本当に本当に助かりました。そこから1年半くらいで全ての借金を返済することができ、今では借金とは無縁の生活をしています。(以下略)」
【体験談について】
任意整理が成立し債権者との和解が成立しても、それで借金問題が解決したわけではありません。任意整理で取り決めた返済方法・期間で、堅実に完済を目指していきます。
任意整理には裁判所が関与しないものの、法律の専門家(弁護士)のサポートで利息が全部カットされる等、債務者へ有利な和解の成立が期待できます。
個人再生の体験談
個人再生を検討した際、一刻も早い債務整理の必要性に気付いた、大幅に借金額が減額され生活再建に役立ったという感想が多いです。
引用:https://twitter.com/tomboy172/status/1453239320970727424
「依頼する5年ほど前にマイホームを購入したのですが、その頃、会社が不況のあおりを受け、これにより私の給与もカットされて収入が減りました。とはいえ住宅ローンを支払い続けなければならないので、消費者金融からお金を借りるようになりました。簡単に借りることができるので、ついつい借りすぎてしまい、気づけば返済が困難な状態となりました。(中略)対応してくれた弁護士の先生が個人再生という制度の説明と、マイホームを手放さなくて済むことを丁寧に教えてくれました。(中略)無事に個人再生の手続きも終了し、住宅ローンと減額された100万円の借金を返済していくことになりました。消費者金融への返済が終わり、今は住宅ローンのみを毎月返済しています。返済額も現在の収入で無理のない金額なので、妻と2人の娘と楽しい毎日を過ごしています。」
【体験談について】
弁護士事務所等がホームページで提供している「返済シミュレーション」をみて、自分の返済に関する甘い予測が吹き飛んだという声もあります。
個人再生は大幅に借金を減額できる手続きですが、裁判所に申し立てるため、法律に深い知識を有する弁護人(弁護士)の助力も必要であることが、体験談から窺えます。
自己破産の体験談
自己破産は認められたが、自分の金銭管理の甘さに気付き反省した、借金額が免除され人生の再スタートをきれたという感想が多いです。
引用:https://twitter.com/moneydaiji/status/1652691348020166656
「短期間で多額の借金を抱え込んでしまいました。会社の倒産や、担保など、いろいろあって、法人と個人合わせて数千万円の借金です。(中略)最後の望みをかけて、ネットで弁護士事務所さんを探していたのですが、(中略)勇気を振り絞って電話してみると、対応してくれたのは非常に話しやすく、かつ優しい弁護士の方でした。(中略)破産申請後、全部の借金が無くなり、今までの苦労がうそのように感じました。今では、特技を生かした仕事で、そこそこの収入もありますし、借金とは無縁の生活を送っています。」
【体験談について】
自己破産はできたが、自分ですぐに返せる金額に抑えなかったため、借金問題に悩まされたと反省する声が目立ちます。
破産申請には弁護士の手厚いサポートが期待できるものの、管財事件となれば一定の所有財産を没収されてしまいます。
そのため「借金で首が回らなくなったら自己破産をすれば良い。」という安易な考えは改めるべきでしょう。
過払い金返還請求の体験談
過払い金返還請求は完済したらもう返還ができないと思っていた、返還期限の来る前にお金が戻り助かった、という感想が多いです。
引用:https://saimu.vbest.jp/basic/overpayment/story/
「10年くらい前に完済した借金なんですけど、今になって急に過払いについて気になるようになったんです。調べたら、過払いにも時効があるらしく、そういう時効間際という事情も考慮して確実に対応してくれる(弁護士)事務所を自分なりに調べました。(中略)相手側の主張は過払い時効。かなり交渉は難航したみたいです。でも、(弁護士さんは)しっかり交渉してくれて最終的に60万円取り戻してくれました。(以下略)」
【体験談について】
過払い金が判明すれば、弁護士等のサポートを得て迅速に返還が実現できるはずです。
しかし、過払い金返還請求には期限もあるので、過払い金の発生を疑うなら、早めに弁護士事務所または司法書士事務所へ相談してみましょう。
信頼できる弁護士事務所や司法書士事務所の選び方
借金救済制度を利用した方々の体験談でも投稿されていましたが、借金問題の解決には法律の専門家のサポートが良い成果につながっているようです。
こちらでは、信頼できる法律の専門家を選ぶポイントについて解説しましょう。
事務所のホームページをまずはチェック
借金問題の相談をする場合、弁護士・司法書士は法律の専門家なので誰に相談しても良い、というわけではありません。
借金問題が得意、離婚問題が得意、不動産問題が得意と、それぞれ得意分野が違うはずです。
借金問題が得意な弁護士・司法書士を見つけたいなら、まずホームページをチェックしてみましょう。
債務整理・過払い金返還請求に、豊富な実績やノウハウを持っている弁護士事務所等ならば、ほとんどの場合ホームページで借金問題に関する話題を詳しく掲載しています。
中には相談実績は過払い金の返還総額等を明記している事務所もあるはずです。このような事務所を絞り込み、依頼候補として選定します。
依頼する事務所候補を絞り込んだら相談予約
事務所候補を選んだら、実際に相談を行ってみましょう。弁護士事務所や司法書士事務所では、初回または何回でも相談無料になっているところがあります。
この相談サービスを利用し、借金の相談はもちろん担当者の人柄も確認しましょう。口調が柔らかで、相談者の悩みを親身に聴いてくれる人ならば安心して依頼できます。
ただし、相談に応じる担当者がパラリーガル(法律事務員)の場合もあります。直に依頼を担当してくれる弁護士・司法書士に相談したいならば、なんとか事務所側に相談する機会をお願いしてみましょう。
なお、事務所の中には「担当者弁護士(司法書士)が直接相談対応」、とホームページで明記しているケースがあります。このような事務所を選んで相談してみるのも良い方法です。
自力で借金を減らすことは可能?
確かに法律の専門家へ債務整理・過払い金返還請求を依頼すれば、手数料や成功報酬も必要となります。なるべく安上がりに借金問題を解決したい債務者が多いはずです。
こちらでは自力で借金を減らす方法、そのリスクについて解説しましょう。
自分が所有する資産で借金返済
自分が生命保険(貯蓄型保険)に加入していたり、不動産を所有したりしていたら、保険の解約または不動産を売却したお金で、いっきに返済できる可能性があります。
貯蓄型保険へ加入していれば、その保険を解約すると「解約返戻金」として払い込んだ保険料の一部が戻り、それを借金の返済に充当できます。
また、自分にとって不要な家屋・土地があればそれを不動産会社等へ売却し、そのお金を返済に回せるはずです。
このような方法をとれば、信用情報機関のブラックリストにのらず、債権者とも円満に借金問題を解決できるはずです。
債務者本人だけでも借金救済制度を利用できる
借金の返済に充てられる資産がなくても、借金救済制度を債務者本人だけで進められます。手続きの際、弁護士等のサポートはあくまで任意です。
自分でできるならば、専門家への報酬はもちろん不要です。
しかし、任意整理・特定調停の場合は債権者が納得するような整理案を自分で作成できるのか、個人再生・自己破産の場合は煩雑な手続きを自分一人だけで進められるのか、過払い金返還請求ならば正確な過払い金の計算ができるのか、よく検討する必要があります。
借金救済制度は、債務者本人だけで簡単に進められる手続きではない点を考慮するべきです。
借金問題に対するアドバイス
こちらでは、借金問題で専門家のサポートを受ける際のアドバイスについて、2点取り上げましょう。
柔軟に借金救済制度を利用したいなら弁護士へ依頼
弁護士はどんなに借金が多くても、債務整理・過払い金返還請求のサポートが可能です。
債務整理・過払い金返還請求いずれの借金救済制度の弁護活動もできるので、任意整理の交渉がうまくいかなければ、個人再生・自己破産を進めるというように、柔軟な借金問題の解決が期待できます。
弁護士は債務者本人の事情に合わせ、最適な救済制度を提案してくれるはずです。
返済額が少ないなら司法書士に依頼
債権者1社の返済額が140万円以下に収まるなら、司法書士に任意整理・過払い金返還請求を依頼してみましょう。
司法書士事務所の中には、過払い金請求で豊富な実績を有するところも多いです。また、弁護士事務所よりも費用を抑えている場合が多く、リーズナブルに借金問題を解決したい人へおすすめです。
ただし、債権者1社の返済額が140万円を超える案件には対応できず、個人再生・自己破産のサポートも法律相談・書類作成にとどまるので、この点には留意しておきましょう。
まとめ:借金救済制度はなるべく専門家のサポートを借りよう
借金救済制度は債務者本人で進めても構いません。しかし、手続きはいずれも複雑で申込条件をよく確認する必要があります。
自分の力だけでは、借金救済制度の活用が難しいと感じたら無理をせずに、法律の専門家の助力を受けた方が良いでしょう。