借金問題で困っている方で債務整理を検討されている方も多いはずです。
これから債務整理を検討されている方のために費用相場について私達がリサーチした内容をまとめた本記事で詳しく解説してゆきます。
また、以下のような疑問にも回答していますので、費用について気になる人はぜひ参考にしてみてください。
- 相場はいくらなのか?
- 分割払いはできるのか?
- 借金問題で費用の捻出が難しいのに債務整理はできるのか?
- 安くする方法はあるのか?
債務整理の費用相場について
債務整理の相場といっても、債務整理にはいくつかの種類があります。
ここでは、代表的な債務整理の任意整理や自己破産、個人再生の費用について見ていきましょう。
無料相談を利用する前に、費用相場を知っておく姿勢は、過度に高額な報酬を要求してくる事務所を避けるためにも大切です。
債務整理の費用相場を種類別に紹介
債務整理の種類ごとに費用相場を確認しましょう。
①任意整理の費用相場
費用内訳 | 費用相場 |
---|---|
着手金 | 40,000円~50,000円 |
成功報酬 | 20,000円 |
減額報酬 | 10%~11% |
過払い金報酬 | 15%~25% |
任意整理の場合、着手金が40,000円~50,000円、成功報酬は20,000円前後あたりが相場となります。減額報酬と過払い金報酬の割合は各事務所によってバラつきがありますが、いずれも過払い金が発生しているケースのみで発生する費用です。
つまり減額報酬と過払い金報酬は、過払い金を期待できない人には無関係です。
逆に過払い金が発生している人にとっては、減額報酬と過払い金の報酬は支払う費用の総額に大きく影響を与えますので、事務所を選ぶ際には過払い金関係の報酬が安いところを選ぶのがスマートです。
例えば、100万円の過払い金を取り戻せる状況にある人が、15%と25%の事務所を選ぶのでは、金額にして10万円の差が生まれるわけですから、たとえ着手金が数万円ほど相場より高いとしても、15%の事務所を選んだほうが得です。つまり発生している過払い金額が大きいほど、過払い金報酬の安い事務所を選ぶメリットは大きくなります。
②自己破産の費用相場
自己破産の費用は、着手金と成功報酬を合わせて25万円〜50万円が相場です(実際には、着手金と成功報酬のほかにも、官報費用など裁判所に支払うお金が別途かかります)。
費用内訳 | 費用相場 |
---|---|
着手金 | 20万円~30万円 |
成功報酬 | 0万円~20万円 |
なお、成功報酬が無料(0円)の事務所は、着手金が高めに設定されるのが通常です。
③個人再生の費用相場
個人再生の費用は、着手金と成功報酬を合わせて40万円〜60万円が相場です(実際には、着手金と成功報酬のほかにも、官報費用など裁判所に支払うお金が別途かかります)。
費用内訳 | 費用相場 |
---|---|
着手金 | 20万円~30万円 |
成功報酬 | 20万円~30万円 |
なお、個人再生は住宅ローン特則ありと無しの二パターンがあって、住宅ローン特則ありだと5万円ほど着手金あるいは成功報酬が高くなるのが通常です。
債務整理の費用を安くする方法は?
債務整理の費用を安くする方法について紹介します。少しでも費用の負担を抑えたい人は参考にしてみてください。
(1)過払い金が発生している
過払い金が発生している場合は、戻ってくる過払い金を費用に充てることで、事実上無料で手続きができてしまう可能性もありますが、あくまで過払い金が見込める人に限ります。
なお、法テラスを利用すれば手続きが無料になると勘違いする人がいますが、法テラスを利用しても、手続き終了後にはいくばくかのお金を法テラスに返還しないといけません。あくまで後払いになるだけで、法テラスを通しても無料になるわけではないので注意です。
(2)法テラスを利用する
法テラスを利用すると費用が安くなります。ただし法テラスには収入要件(収入が低いほど法テラスを利用しやすくなる)があり、クリアしないと利用できません。
また、法テラスを利用するにあたっては、法テラスに提出する書類を揃える必要もありますので、忙しい人や書類の提出が面倒な人にとっては不向きです。
債権者数 | 実費 | 着手金 |
---|---|---|
1社 | 10,000円 | 33,000円 |
2社 | 15,000円 | 49,500円 |
3社 | 20,000円 | 66,000円 |
4社 | 20,000円 | 88,000円 |
5社 | 25,000円 | 110,000円 |
6社~10社 | 25,000円 | 154,000円 |
11社~20社 | 30,000円 | 176,000円 |
21社以上 | 35,000円 | 198,000円 |
債権者数 | 実費 | 着手金 |
---|---|---|
1社~10社 | 23,000円 | 132,000円 |
11社~20社 | 23,000円 | 154,000円 |
21社以上 | 23,000円 | 187,000円 |
債権者数 | 実費 | 着手金 |
---|---|---|
1社~10社 | 35,000円 | 165,000円 |
11社~20社 | 35,000円 | 187,000円 |
21社以上 | 35,000円 | 220,000円 |
法テラスの収入要件
法テラスは事務所費用を支払う余裕のない人に向けた制度ですので、誰でも利用できるわけではありません。一定の収入要件をクリアする必要があります。法テラスが定めた基準より収入が高いと法テラスは使えないので注意です。
なお、法テラスが定めた収入基準は地域や扶養家族によって違い、思いのほか複雑です。詳細は法テラスのHPを参照するか、あるいは、法テラスまたは依頼予定の法律事務所に問い合わせてください。
(3)債務整理の費用は一部値切ることも可能
弁護士や司法書士が相手ですから、債務整理の費用を値切る勇気のある人は滅多にいません。
もっとも絶対に不可能かといえばそうでもなく、出張費や通信費(郵送代)などはカットしてくれるケースもあります。
特に依頼する債権者の数が多い人は、事務所に支払う総費用も高額になりがちなので有機をだして相談する価値はあります。
ただし、たとえ依頼に繋がっても信頼関係を失いますので過度な値下げ交渉はおすすめしません。
(4)弁護士より司法書士のほうが安くなる?
弁護士より司法書士に頼んだほうが安く済むイメージもありますが、実際には弁護士事務所よりも費用の高い司法書士事務所もあります。
弁護士と司法書士、どっちに債務整理を依頼したほうが安いか?得か?という基準はいったん忘れて、この記事で紹介した費用相場をもとに、どの事務所があなたにとってベストか考えましょう。
いくら費用が安くても、相性の悪い弁護士あるいは司法書士に依頼してしまうとコミュニケーションが上手くいかず、最悪の場合、債務整理手続きが最後まで終わらず終了してしまいます。目先の費用の安さにとらわれない心構えが大切です。
特に自己破産や個人再生を頼む人は、事務所との付き合いが長くなりますので、費用にとらわれず、なによりも実績や相性を重視すべきです。
債務整理の費用に関するよくある質問
(1)費用の分割払いや後払いはできる?
債務整理の費用の支払いについては、どの事務所も一般の人が思う以上に柔軟に対応してくれます。分割払いはどこの事務所も当然のように受け入れていますし、事務所によっては後払いも可とするところもあります。
また、同じ分割払いをするにしてもボーナス時期は多めに払って、通常時期は少なめに払うといった形式の分割払いもできますので、支払い方法については積極的に事務所に相談しましょう。
債務整理の費用の支払い方法には何か特別なルールや決まりがあるわけではなく、各事務所が各々に基準を設けているだけですから、こちから「このような形で支払っていきたいのですけど」と提案するのはおかしなことではありません。
(2)債務整理の費用を弁護士に払えなくなったら?
弁護士への事務所費用の支払いを怠り続けると、遅かれ早かれ辞任されてしまいます。それゆえ、債務整理の手続きを円滑に進めるためには、費用の支払いが困難になった場合の対処方法も知っておかないといけません。
債務整理の費用が払えない時の対処方法として、なによりも大切なのは事務所からの連絡を無視しないことです。費用が払えなくなると事務所からの電話に出るのがおっくうになって無視を続ける人がいますが、無視を続けると法律事務所から辞任されてしまいます。
法律事務所が辞任する(仕事を降りる)と、止まっていた支払いの催促が再開し、遅延損害金も上乗せされるので、踏んだり蹴ったりの結果が待っています。そうならないためにも法律事務所からの電話は必ず出るようにしましょう。
他の支払い方法や別の債務整理に切り替えれる場合も
法律事務所に素直に事情を打ち明けることで、新たな支払い方法の提案があったり、(任意整理から自己破産や個人再生への切り替えなど)他の債務整理手続きへの切り替えに対応してもらったりできます。とりわけ正社員でボーナスがある人や、積み立て式の生命保険に加入している人は、ボーナスが入るまで費用の支払いを無しにしてもらったり(あるいは減額してもらったり)、生命保険を解約して解約返戻金で費用を支払う方法もありますので、積極的に事務所に相談しましょう。
いずれにせよ、個人で勝手に判断せず、事前に、あるいは早めに事務所に連絡を入れてアドバイスを求める姿勢が大切です。実績のある法律事務所を選びさえすれば、彼らは経験があるわけですから、費用が支払えなくなった人の対処方法などいくらでも知っているはずです。
(3)30万円が債務整理の費用相場?
インターネットで検索すると、30万円というキーワードが表示されます。そのため、債務整理の費用には30万円程度かかると思う人もいるはずですし、実際に債務整理を依頼して30万円(あるいはそれ以上)が必要な場合もあります。
自己破産や個人再生を依頼するのであれば、30万円程度の費用を支払うのは、きわめて通常の範囲内です。逆に1社~2社を任意整理して30万円を支払うのなら払いすぎと言えるでしょう。
要するにケースバイケースです。30万円という金額には特に意味がないと思って構いません。
(4)債務整理の費用を支払うタイミングは?
債務整理の費用を支払うタイミングは、基本的には初回の事務所来所時(初回相談時)に支払います。無料相談を受けて依頼が正式に決まったらその場で費用を支払う流れです。
状況によっては手持ちのお金が無い場合もあります。その場合は、直近の給料日の翌日以降に支払日が設定されるのが通常です。
なお、支払いは一括ではなく、分割払いでも対応してもらえますし、分割払いをする人は給料日がくるたびにその都度費用を支払っていく流れになります。
費用の支払いを心配して法律事務所への相談を先送りにする人がいますが、手持ちのお金がなくても債務整理の依頼は可能です。積極的に無料相談を活用しましょう。
また、債務整理を依頼した時点で債権者への支払いはストップしますので、事務所の費用の支払いと(手続きに含めた)カードローンの支払いが重なることはありません。
(5)知恵袋の回答は信じていい?
知恵袋の回答は必ずしも債務整理の経験者や債務整理に詳しい人が回答しているわけではありません。「債務整理の分割費用が払えないけどどうしよう?」といった質問に対しても、バイトするしかない、払えないなら諦めるしかないなどの、冷たく突き放すような回答が多いです。
実際には、一時的に分割費用が払えなくても、分割払いの金額を一時的に下げたり、ボーナス月までは費用の支払いをゼロにしたりと、いくらでも対処方法はあるのですが、知恵袋ではそのような回答は見当たりません。知恵袋の回答は不十分なものが多く、信じ過ぎるのはかえって損な結果を招いてしまいます。
借金問題でお困りの場合は、まずは法律事務所の無料相談を利用しましょう。
まとめ
債務整理の費用について紹介しました。
多くの方にとっては、債務整理は初めての経験のはずです。費用については不透明な部分が多く、最低限、費用相場くらいは知っておかないと支払う必要のないお金を支払うハメになることも。
さらに、依頼後の費用の支払いについても、払えなくなった場合の対処方法を知っておかないと、債務整理が失敗に終わってしまいます。
このようなことがないように法律事務所に相談する前に、本記事で紹介した債務整理の費用相場について確認しておきましょう。