子供が死産した!医者に責任はある?

User image 1 匿名ユーザーさん 2015年04月21日 02時03分

 子供が死産で、死因は臍帯の絡まりでした。妻が29歳で、子供は不妊治療で授かった子供でした。40週2日で母体内で亡くなりました。回避できなかったのかと聞くと、「40代で同じ状況なら38週で帝王切開の選択も提示していた。この子が死ぬから悪い。」と言われました。子供は3200グラムあり、妻の体は149センチと小柄です。年齢だけでなく体や子供の大きさも考慮し、帝王切開が提示される権利はなかったのでしょうか?その方法を提示されていれば妻は選んでいました。なぜ妻には知らされなかったのでしょうか。統計的に妻には知らせる必要性はないと言われました。医師の責任を追及できるでしょうか?このままでは悔しくてなりません。


(30代:女性)

匿名弁護士

 医師に説明義務違反過失が認められれば、損害賠償を請求することができます。


 お子さんを亡くされたとのこと、心からお悔やみ申し上げます。

 
現在の法律では、残念ながら医師に謝罪を強制したりすることはできません。ただ、医師に対して損害賠償を請求することは可能です。

 
その根拠として、ご相談の場合、1、医師の説明義務違反に基づく慰謝料請求と、2、医療行為の注意義務違反に基づく損害賠償請求の2点が考えられます。以下それぞれについてご説明いたします。


1、医師に説明義務違反があったとして、慰謝料を請求する


 医師には、医療行為に先立って患者に治療行為の内容や危険性などを説明し、患者の承諾を得るという義務があります(いわゆるインフォームド・コンセント)。

 
患者の有効な承諾のないまま実施した医療行為は、患者の自己決定権を侵害し、違法なものとして、慰謝料などの損害賠償責任の根拠となるのです。


 ご相談の場合、担当医には38週の時点で帝王切開の選択肢もあることを説明すべき義務があったのにもかかわらず、それをしなかったとして、慰謝料を請求することができるでしょう(民法415条709条710条)。

 
担当医が病院に勤務する医師であれば、病院に対して使用者責任を問うこともできます(民法715条)。


 ただ、医師の説明義務は、緊急や非常事態の場合や、真実の説明が患者に重大な悪影響を及ぼすものと考えられる場合には、説明を差し控えることも認められています。

 
そのため、実際に担当医の説明義務違反が認められるかは、裁判における医師の反論や、証拠、立証の程度などに左右されることがあります。


2、医師の医療行為に注意義務違反があったとして、損害賠償を請求する


 医師は、人の生命・健康を管理すべき医療の性質から、危険防止のために必要とされる最善の注意義務を負うものとされています(最判昭和36年2月16日)。

 
出産の場合でいえば、陣痛の誘発や、その後の分娩管理、帝王切開の選択などについて、出産を担当する医師に、それらを適切に管理する注意義務が課せられているのです。

 


 
ご相談の場合、担当医が出産を適切に管理すべき注意義務を果たさなかったことにより、子供が死産で生まれてきたとして、損害賠償を請求することが考えられます(民法415条709条)。

 
この場合もまた、担当医が病院に勤務する医師であれば、病院に対して使用者責任を問うことができます(民法715条)。


 ただ、実際の裁判において、医師に注意義務違反(過失)があったことを立証することは容易ではありません。医師が先進的な研究機関をもつ大学病院に勤める医師であるか、一般開業医であるかにより、医師に求められる医療水準も異なります。


 医療過誤裁判では、どうしても専門的な知識が必要となります。実際に訴訟をおこすのであれば、法テラスなどで、医療過誤を専門的に扱っている弁護士を紹介してもらうべきでしょう。


 なお、実際にどのような医療行為がなされたのかを知るための証拠として医療記録がありますが、これは医師側が所持しているため、裁判所に対して医療記録の証拠保全の申立をする必要もあります(詳しくは医療過誤(1)を参照してください)。この手続きについても、弁護士に相談すると良いでしょう。

2015年04月21日 02時03分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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