B型肝炎訴訟の原告に加わりたい!

Legalus編集部さん 2015年04月18日

 B型肝炎団体訴訟が各地で行われておりますが、原告になれる条件として、予防接種法が施行される昭和23年7月1日が起点になっています。元々この訴訟は国が行ってきた予防接種で注射器の使いまわしによりB型肝炎が感染、拡大したというものです。過去の判例から勝訴できそうな条件として、免疫ができ上がる7歳から考えて、予防接種法が施行された昭和23年から7歳を差し引いた昭和16年ごろ以降の方しか原告になれないということですが、法律がなかったからといって原告になれないというのはおかしいのではないでしょうか。予防接種時の注射器の使いまわしが原因でB型肝炎になっている人を、予防接種法施行以前か以後かで分けてしまうのはおかしいと思います。それ以前の方々は他にどんな法律をたてに裁判すればいいのでしょうか?



(40代:女性)

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Legalus編集部

     一般的には、生年月日が昭和16年7月1日の方が、訴訟で国の過失を認めさせるのは困難であるといえます。肝炎対策基本法の具体化が待ち望まれます。



     たしかに、生年月日が昭和16年7月1日以前の方であっても、予防接種時などの注射器の使い回しによってB型肝炎になったのであれば、予防接種を行った国の責任が認められるべきです。また、各地のB型肝炎訴訟における「原告になれる条件」を満たしていなくても、個人で国家賠償訴訟を提起すること自体は、当然可能です。



     ただ、訴訟でその責任を認めさせるには、被害者の側が、当時の医学的状況からして、予防接種時に注射器を使い回しすべきではなかったといえ、国の過失が認められること等を主張立証しなくてはなりません。

     B型肝炎は、現在でこそ注射器の使い回しによって感染することが判明していますが、その事実がまったく判明しておらず、国が対策をとることができなかった時期に、注射器の使い回しによってB型肝炎に感染してしまったとしても、国に過失があるとはいえないと考えられています。



     そして、B型肝炎ウイルスに感染した原告の国家賠償請求を認めた最判平成16年6月16日は、注射器の使い回しによりB型肝炎に感染する恐れがあることが判明していた時期を、欧米諸国では遅くとも昭和23年、わが国では遅くとも昭和26年当時であったと認定しています。また、予防接種法は昭和23年7月1日より施行され、それ以降に集団予防接種が強制的に行われています。

     そのため、多くの弁護団は、「昭和23年7月1日」を一つの区切りとして、その時点ですでに免疫のある7歳になっている場合(生年月日が昭和16年7月1日以前の場合)には、国の責任を確実に追及することは難しいものとして、団体訴訟の原告から除外しているようです。



     これらのことからすれば、生年月日が昭和16年7月1日以前の方が、国家賠償請求訴訟で国の責任を認めさせることは、一般的には困難が伴うものと言わざるを得ません。

     ただ、個別的なケースによっては、国の責任を認めさせることが可能である場合もあり得るので、B型肝炎の団体訴訟を提起している弁護団に一度相談してみることをお勧めいたします。団体訴訟の原告には加われなくても、個別訴訟を提起できる場合があるかもしれません。



     なお、平成22年4月1日より「肝炎対策基本法」が施行され、B型肝炎とC型肝炎につき明文で国の責任を認めていますが、患者の支援や医療政策の整備の基本指針を制定したにとどまっています。今後は、医療費や生活費の助成など、具体的に負担を緩和する立法政策が待ち望まれるところです。

2015年04月18日

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