弁護士コラム

大手事務所は安心か?

[投稿日] 2020年06月04日 [最終更新日] 2020年06月04日

テレビコマーシャルなどで大々的に債務整理や過払い金請求の顧客を勧誘する弁護士や司法書士の大手事務所が目立つようになっています。

これらの事務所の中には,これまでの取扱件数や過払い金回収実績を誇示し,債務整理や過払い金請求を集中的に取り扱っていることをセールスポイントとしているものが見られます。

しかし,あまりにも多すぎる取扱実績を誇示している事務所は考えものです。

大手事務所であるからといって,必ずしも案件処理が丁寧であるとは限りません。私のところへ依頼に来られる方の中には,それまで大手事務所に依頼されていたという方もいらっしゃいますが,実際にそれまでの案件処理の内容をうかがうと,疑問を感じざるを得ないものが散見されます。

例えば,私が過去に取り扱った中で実際にあった事例ですが,大手事務所に過払い金請求を依頼して,ある業者との間で200万円の返金ということで裁判外で示談が成立する直前に,処理内容を疑問に思われて相談に来られた方がいました。

私の方で詳しくご事情をうかがった結果,その大手事務所の処理内容に疑問を抱いたことから,あらためてご依頼をお受けし,正式な裁判手続をとり労力をかけて進めた結果,最終的には400万円以上の返金で和解となりました。

テレビコマーシャル等で大量に依頼者を呼び込めば,当然1件1件に当てられる労力はその分だけ減ります。そうすると,労力をかければ得られたはずの利益が犠牲になる場合があることは否定できません。

そのような事務所の一般的な特徴は,弁護士や司法書士の数に比べて事務員の数が圧倒的に多い(例えば,弁護士数の10倍も事務員がいる)といわれています。本来,ご依頼者の利益を最大化するためには,弁護士や司法書士が直接1件1件について労力をかけることが必要となります。しかし,そのような事務所では,1件1件について裁判をするなどの丁寧な処理をすることは不可能なのです。

そうなると,裁判をすれば100万円の返金を受けられたはずなのに,裁判をせずに60万円の返金で示談をするという安易な処理に流れないとも限りません(上記のケースもその一例だったと推測されます)。

現在は,数年前のように,文書と電話だけで満足できるような過払い金の返金を受けられる状況ではありません。1件1件について裁判で丁寧に主張立証を尽くすことで回収できる金額に大きな差が出てくる場合もあります。

これから弁護士や司法書士に依頼して債務整理や過払い金請求を行おうとお考えの方は,あまりにも多すぎる取扱実績に惑わされることの無いようご注意ください。

弁護士法人VIA支所 倉敷みらい法律事務所 〒710-0055 岡山県倉敷市阿知1丁目5-17 マルカンビル倉敷駅前3階 [現在営業中] 平日9:30-17:30
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岡部 宗茂 弁護士

取扱分野
借金・債務整理 交通事故 企業法務

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