弁護士コラム

債務整理の方法の検討手順

[投稿日] 2019年11月22日 [最終更新日] 2019年11月26日

債務整理の方法には,任意整理,個人再生,自己破産という選択肢があります。

それでは,どの方法で債務整理を行うのかについては,どのように決めていったらよいのでしょうか?

 

1 まずは任意整理が可能かどうか検討する

まずは,任意整理が可能かどうかを検討することになりますが,この場合,利息制限法に基づく引き直し計算後の負債額を分割で支払うことができる見込みがあるかどうかを検討します。

業者との交渉で定められる分割払いの期間は,標準的には36回(3年)となります。

負債額が多額にわたる場合には,60回(5年)程度までの範囲で合意できる可能性があります(負債額が非常に多く,継続的な収入が見込める場合には,ごく例外的にそれ以上の返済期間で合意できる場合もあります)。

したがって,任意整理ができるかどうか検討する場合,まず総負債額を「36」で割った金額を3年間休みなく返済に回すことができるかどうかを検討することになります。

36回で完済することは厳しいがそれ以上の返済回数であれば返済できるという可能性がある場合,現実的に任意整理が選択可能か否か,ケース・バイ・ケースで判断していく必要があります。

 

2 任意整理が不可能な場合,自己破産に支障があるかどうか検討する

任意整理が不可能だと判断される場合,次に,自己破産をするに当たって障害となることがあるか,障害がある場合には受忍可能なものかどうかと検討することになります。

任意整理の次には自己破産ではなく個人再生の可能性を検討した方が良いという考え方もあり得るところですが,自己破産をするに当たって障害となる事情がないにもかかわらず,個人再生の方法を選択するメリットは通常はありません。

自己破産をするに当たって障害となる主な事情は次のようなものです。

①免責不許可事由に当たる事情がある場合
ギャンブルや浪費など,明らかに免責不許可事由に当たる事情がある場合には,あえて自己破産の申立てをせず,個人再生手続を利用するのが適切な場合があります。

②現在の職業が破産者の職業制限と抵触する場合
よく問題となるのは,生命保険の保険外交員や警備員の方の場合です。

③自宅等どうしても手放したくない資産がある場合
住宅ローンを支払いを続けたまま債務整理を行いたい場合には,個人再生における住宅資金特別条項(住宅ローン特則)の利用が可能かどうか検討することになります。

 

3 自己破産に支障がある場合,個人再生が可能かどうか検討する

任意整理が不可能で,かつ,自己破産に支障がある場合には,個人再生が可能かどうか検討します。

ポイントとなるのは,以下のような点です。

①個人再生が認められる法律上の要件を充たしているか
 住宅ローンを除く負債総額(保証債務を含む)が5000万円以下かどうか

②再生計画の履行可能性
 再生計画の履行のために見込まれる弁済額の継続的な支払いが可能かどうか
 支払いが可能な程度の継続的な収入を見込めるか

③住宅資金特別条項の利用可能性
 住宅ローン債権を担保する抵当権の他に後順位抵当権が設定されていないか

 

4 任意整理も個人再生も不可能な場合は,早めに自己破産の決断を

任意整理が不可能で,かつ,個人再生も不可能な場合,たとえ自己破産に支障があったとしても,自己破産という手続を採らざるを得ません。

自己破産以外に手段がないという状況であるにもかかわらず,自己破産という決断ができずに借金を積み重ねていけば,家族や債権者により多くの迷惑をかけることになりかねません。

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岡部 宗茂 弁護士

取扱分野
借金・債務整理 交通事故 企業法務

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