弁護士コラム

未成年者の法律行為

[投稿日] 2018年03月19日 [最終更新日] 2018年03月19日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

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Q. 中学3年生の次男が、50万円もする英語のリスニングの教材を勝手に購入したようで、先日、教材が家に届きました。代金を支払わなければならないのでしょうか。

 

A.民法では、出生の日から起算して、満20歳に達した者を成年とし、そうでない未成年者を、知能発達の程度にかかわらず行為無能力としています。ただ、未成者も婚姻すると成年とみなされます。

未成年者を保護するのは、一次的には親権者、親権者がいないときは後見人とされています。親権者または後見人は、未成年者の財産を管理し、未成年者を代理する権限があります。また、財産に関する未成年者の法律行為について同意権をもち、これを無視した未成年者の法律行為については、これを取り消し、あるいは追認する権限があります。さらに、未成年者に営業を許可する権限もありますが、もし、未成年者が営業に堪えることができない事由があるときは、その許可を取り消しまたは制限することができます。このように未成年者の保護者は、その財産に関し代理権がありますので、法定代理人とよばれています。

 

このように、未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要ですし、同意なくした法律行為は取り消すことができます。

ですから、本件のように未成年者が、親が知らないうちに数十万円もする英語のリスニング教材を買ったり、他にも例えば、高額な車をローンを組んで買ったりした場合、親も本人も、相手方に対して取り消すことができます。この場合、既に支払った代金は返してもらえますし、ローンの支払いもしなくてすみます。

他方、取り消した場合、現状回復義務が生じますが、未成年者の利益となっている限度で返還すれば足ります。したがいまして、受け取った教材や車等を返さなければなりませんが、教材のCDを聞いたり、車に乗っていても、そのまま返してかまいません。初めに述べましたとおり、民法は未成年者を行為無能力者とし、判断能力が不十分である未成年者を保護することを優先しているのです。

もっとも、次の行為のように、未成年者の利益を害しないかまたは法定代理人のいわば包括的同意があるとみられる行為については、取り消すことはできません。

 ①単に権利を得、または義務を免れる行為。例えば、贈物を受けたり、借金の支払いを免れることなどです。

 ②法定代理人が目的を定めて処分を許した財産をその目的の範囲内で処分し、あるいは、目的を定めないで処分を許した財産を処分 する場合。例えば、「衣類」と目的を定めて買うことを親が渡したお金で、未成年者が服を買った場合です。その他に、お小遣いとして渡したお金の中で、未成年者が物を買った場合です。

 ③法定代理人が未成年者に営業を許可した場合、その営業に必要な一切の行為については、取り消しができません。

 ④相手方に成年であることを信じさせるため、未成年者本人が積極的に詐術を用いた場合も取り消すことはできません。

吉川 法生 弁護士

注力分野
相続 離婚・男女 交通事故
  • Icon 1法テラス利用可
  • Icon 1当日相談可
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  • Icon 3女性スタッフ在籍
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