弁護士コラム

遺産分割と特別受益

[投稿日] 2018年06月22日 [最終更新日] 2018年06月22日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

Q.先日、父が死亡しまた、相続人は兄と私の二人です。遺産としては、時価約3,000万円の自宅である土地建物と預金約1,000万円です。
兄は、昨年、マンション購入頭金として1,000万円を父に出してもらっています。こうした事情は、兄とのあいだで父の遺産を分割するにあたってどのように考慮されるのでしょうか。
 

A.被相続人(本問では、お父さん)が死亡した場合、共同相続人(本問では、あなたとお兄さん)は法定相続分(本問では、2分の1ずつ)に応じて遺産を相続するのが原則です。
しかし、相続人の中に被相続人から遺贈を受けたり、婚姻や養子縁組のため、あるいは生計の資本として生前に贈与を受けたものがあるときに、それを考慮せずに相続分を計算して法定相続分で分けるとなると、共同相続人間の公平を害することになります。民法は、こうした不公平を是正する手続として、これらの贈与を相続分の前渡しとみて、特別の利益を受けた者(特別受益者といいます)に対して、その利益の持戻しをすることを規定しています。すなわち、被相続人が死亡時に有していた財産の価額にその贈与等の価額を加えたものを相続財産とみなし、法定相続分の中から、その価額を差引いて、その残額を特別受益者の具体的相続分としています。これを、特別受益制度といいます。
  
  本問では、お兄さんのみが、マンション購入資金の一部の生前贈与を受けていることは、生計の資本として贈与を受けたことになりますので、特別受益に該当します。

  そして、その特別受益の評価の基準時は、相続開始時の時価によります。贈与されたものが金銭の場合、贈与時の価額を相続開始時の貨幣価値に換算した価額となります。貨幣価値の変動について、換算の基準としては、物価指数などが用いられ、15年、20年前といった場合は、貨幣価値の違いによって差が出てくるかもしれませんが、本問の場合は、昨年というのですから、相続開始時と大差はないということになるでしょう。

  本問につきましては、相続財産の評価額である4,000万円に贈与価額1,000万円を加算した金額5,000万円が相続財産とみなされます。これに法定相続分率2分の1をかけて2,500万円から贈与価額1,000万円を差引いた1,500万円がお兄さんの具体的な相続分となります。あなたの相続分は、2,500万円です。

吉川 法生 弁護士

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