弁護士コラム

遺留分

[投稿日] 2018年07月20日 [最終更新日] 2018年07月20日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

相談:3ヶ月前に、夫が亡くなりました。夫は、遺言書を書いており、遺言書の内容は、夫の遺産をすべて先妻との間の息子ひとりに譲るというものになっていました。夫の遺産は、預金が1000万円ほどあります。私には、まだ小学生の息子もおり、夫の扶養に入っていたため、夫の遺産がまったく相続できないとなると、私たち親子二人の生活の今後も不安です。このような遺言書どおりの遺産分割には納得できません。先妻の子に私たちにも遺産を分けるように求めることはできないでしょうか?なお、父の相続人は、その先妻の子と私、私と夫との間の息子の3人です。

 

回答:
1 遺留分について
  まず、民法では、被相続人つまり亡くなった人には、生前贈与や遺言によって、自己所有の財産を自由に処分する権利が認められています。しかし、本件の相談者の方のように夫の扶養に入っていた家族がいた場合、遺言の通り、一切相続できないとなると生活が不安定になる可能性があります。
  そこで、民法では、法定相続人に、ある一定割合について相続権を保証するために遺留分というものを認めています。もっとも、法定相続人のうち、被相続人の兄弟姉妹には、遺留分は認められていません。今回は、相談者の方と相談者の方の息子さんはともに遺留分権利者となります。
  今回の相談者の方と息子さんは、先妻の子に対し、遺留分相当額を返すように請求することはできます。このような請求のことを遺留分減殺請求といいます。
2 遺留分を無視した遺言書の効力は?
  では、今回のような遺留分を侵害する遺言の効力が問題となりますが、そのような遺言はあくまで有効であり、無効になるわけではありません。遺留分を侵害する遺言でも、遺留分権利者がその権利を行使した場合にその限度で修正されるに留まります。
3 遺留分はどれくらい認められるものなのか?
  民法は、遺産全体から、遺留分権利者の全体に残しておくべき割合を定めており、これは、どんな人が相続人かによって異なります。
  相続人が、亡くなった人の両親、祖父母などの場合は、遺産全体の3分の1は相続人に残さなくてはならないとし、それ以外の場合は、遺産全体の2分の1を残さなくてはならないとされています。今回の相続人は、先妻の子と現在の妻とその子ですので、遺産全体の2分の1を遺留分として認められます。
  それぞれの個別の相続人に認められる遺留分は、全体の遺留分にそれぞれの法定相続分を掛け合わせたものとなります。法定相続分は、妻は2分の1、子どもは残りの2分の1を子どもの人数で割ったものです。
  したがって、今回の場合は、遺留分として相談者は遺産の4分の1である預金の250万円、相談者の息子さんは遺産の8分の1である預金125万円を遺留分として請求できます。
4 いつまでも行使できるものなのでしょうか?
  もっとも、遺留分減殺請求権は、被相続人の死亡と不公平な生前贈与や遺言があることを知ってから1年以内に主張しないと権利が消滅します。また、不公平な生前贈与や遺言があることを知ってから1年以内であっても、被相続人の死亡から10年経過すると権利が消滅することになります。
  相談者の方のご主人が亡くなられたのは、3ヶ月前ですので、先妻の子に対して、遺留分を請求することができます。
 

吉川 法生 弁護士

注力分野
相続 離婚・男女 交通事故
  • Icon 1法テラス利用可
  • Icon 1当日相談可
  • Icon 4夜間相談可(18時以降)
  • Icon 3女性スタッフ在籍
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コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。

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