弁護士コラム

契約書の作成

[投稿日] 2018年08月10日 [最終更新日] 2018年08月10日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

Q.先日、父が亡くなりました。
今の住まいは父の代から借りていて、もう30年近くになります。賃貸借契約書は、借りた当時にはあったかもしれないのですが、現在、家主さんの所にも私の所にも契約書は見当たりません。
家主さんからは、新たに賃貸借契約書を作成し直してほしい、応じないのであれば出ていってほしいと言われています。家主さんが持ってこられた契約書は、借りている方が不利と思われる条項が多いように見受けられます。
契約書の作成に応じなければいけないのでしょうか。
 

 

A.30年前に賃貸借契約書が作成されたかどうか不明ということですが、仮に契約書が作成されていなかったとしても、賃貸借契約は、貸主と借主との間で賃貸借の対象となる建物の特定と賃料を決め、「貸します」「借ります」という合意ができれば、それで有効に成立します。つまり、口約束であったとしても、契約の有効な成立という意味では問題ありません。
通常、賃貸借契約書には、賃料の支払時期、譲渡・転貸の禁止、解除事由などが記載されますが、こうした事柄も口頭での合意で決めても構いません。
では、大半の場合、賃貸借契約の内容を契約書という形の書面にするのは何故かということになりますが、これは、後で契約の成否や合意の内容が争いにならないように書面にしておくということになります。また、スーパーでの食料品の売買などと異なり、契約の内容も重要になってきますので、なおさら書面にしておこうということになります。つまり、契約が成立したこととその内容(特に、特別な合意があった場合)を契約書という形で証拠として残しておくことで、後日の紛争を未然に防ぐという点に契約書の重要な役割があるのです。
しかし、繰り返しになりますが、契約書を作成していないからといって、賃貸借契約が成立していないということにはなりません。

ところで、本問のように、契約の当事者である賃借人が死亡したという場合、相続が発生し、相続人がその権利義務を承継するということになります。すなわち、相続人が死亡した被相続人と全く同一の契約上の地位を承継することになります。
従いまして、契約書が作成されていない場合、作成されていても紛失してしまった場合、いずれにせよ、相続が発生したからといって、必ず契約書を作成しなければならないということにはなりません。

もっとも、30年近く前から賃借りしてきたということですと、契約内容があいまいなものになってきているかもしれません。
そうした意味で、契約内容を明確にして契約書を作成するということが意味のある場合もあるでしょう。ただ、その場合でも、契約内容については、家主さんとその内容をよく確認し、双方納得の上、作成するべきです。

吉川 法生 弁護士

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相続 離婚・男女 交通事故
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