弁護士コラム

盗品と所有権

[投稿日] 2018年08月17日 [最終更新日] 2018年08月17日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

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Q.先日、画商で絵を買ったのですが、その絵が盗品であることがわかりました。もう代金も支払ったのですが、元の所有者に絵を返さなければならないのでしょうか。

 

A.絵のような動産の場合は、たとえ所有者でない人から買ったとしても、買ったときに、売主が所有者でないことを知らず、また知らないことし過失がなければ、その買主は、絵の所有権を取得できることになっています。これを「動産の善意取得」といいます(民法192条)。(因みに、不動産につきましては「登記」が必要になりますので、「善意取得」の制度はありません。)
しかし、この善意取得については、盗品・遺失物の場合の例外が定められています。それは、動産が盗品又は遺失物である場合に限って、盗難・遺失のときから2年間、被害者又は遺失主が動産の占有者に、盗品・遺失物の返還を請求できるというものです(同193条)。しかもこの返還の請求は、無償でできることになっています。従いまして、例えば知人から買った絵が盗品であったという場合、元の所有者から返還請求がなされれば、無償で返還しなければなりません。

では、画商で絵を買った場合も同じでしょうか。
このような場合にも、買った絵が盗品であれば無償で元の所有者に絵を返還しなければならないとしますと、誰も安心して画商から絵を買えなくなってしまいます。そこで民法は、動産の占有者が、その動産が盗品又は遺失物であることを知らずに公の市場においてその物と同種の物を販売する商人から購入していた場合には、その動産を盗まれた人又は遺失した人は、買主に対して代金の弁償をしなければ、物の返還をしてもらうことはできないと規定しました(同194条)。
すなわち、元の所有者が買主が支払った代金を弁償しなければ、盗まれた絵の返還を求めることができないこととなっています。知人から買った場合と違って、それだけ買主の保護が厚くなっているわけです。

吉川 法生 弁護士

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