弁護士コラム

特別縁故者

[投稿日] 2018年10月04日 [最終更新日] 2018年10月04日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

Q.私の叔母ですが、独身で身寄りがなかったため、20年前から依頼を受けて一緒に住み始め、家事一切の世話をしたり、畑仕事をして生計の一端を担ってきました。10年前からは体調を崩し、私が面倒をみて、入院・通院費用なども立て替えました。死後、預金があることがわかりましたが、遺言はありません。日ごろから、「残った預金は、世話になったあなたにあげたい」と言っていたのですが、相続人ではない私には権利はないのでしょうか。 


A.相続人がいないことが明らか場合、あるいは、いるかいないかが明らかでない場合、民法では、「相続人の不存在」という制度をもうけ、手続を定めています。このような場合、そのままでは相続に関する手続きを進めることができないので、相続財産を法人とする旨定めています。利害関係人(相続債権者や受遺者のほか特別縁故者なども含みます)または検察官の請求によって家庭裁判所が相続財産管理人を選任し、相続財産を管理・清算させることにしています。
 
 具体的な手続の流れは次のようになっています。
相続財産管理人が選任されたことの公告がなされたのち2ヶ月間、相続人は名乗り出るよう催告します。そして、相続人が現れないと、相続財産管理人は被相続人(亡くなった方)の債権者・受遺者に対し一定の期間内(2ヶ月以内)に届け出するように公告します。その期間が満了すれば、清算が始まります。相続財産管理人は、請求された被相続人の債務を弁済し、遺言がある場合にはその内容を実行する手続をして、被相続人に代わって遺産の管理と処分をします。その期間が満了すれば、清算が始まります。
 そして、最終的に、家庭裁判所はもう一度、相続権や請求権がある人は一定期間内(6ヶ月以内)に権利を主張する旨の公告をし、その上で権利者が出ないときは、それ以上遺産につき権利を行使することができないことが確定し、遺産の処理が終了します。残った相続財産は国庫へ帰属することになっています。

 ただ、その後3ヶ月以内に被相続人と特別の縁故があった人から、財産分与の申立てがあった場合は、その処理をしてから、余った財産があれば国庫の所有になるという規定が昭和37年に設けられました。これを、「特別縁故者」と呼ぶのですが、これは、被相続人と特別な関係があった人に財産を分与でき制度です。家庭裁判所は被相続人と生計を同じくしていた人、被相続人の療養看護に努めた人、その他、被相続人と特別の縁故があった人からの請求により、これらの特別縁故者に、相続人がいないことが確定した人の残余財産の全部または一部を与えることが定められているのです。
 この特別縁故者と認めるかどうか、分与する額をいくらにするかは、裁判所がケースごとに具体的事情を調べて決定します。その判断は、個々の裁判官の裁量にかかっていますが、被相続人との親族関係の有無や遠近に関係なく、具体的・現実的に存在した被相続人と申立人との間の縁故の濃淡・厚薄が判断の基準となります。
  特別縁故者への分与のない相続財産は、最終的には国庫に帰属することになります。

  審判では、被相続人と生計を同じくしていた内縁の妻や事実上の養子が特別縁故者と認められる例が多いのですが、「人生の奇縁」ともいうべき教え子や経済的援助を続けた会社経営者など、その他法人も認められています。

吉川 法生 弁護士

注力分野
相続 離婚・男女 交通事故
  • Icon 1法テラス利用可
  • Icon 1当日相談可
  • Icon 4夜間相談可(18時以降)
  • Icon 3女性スタッフ在籍
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