弁護士コラム

筆界特定制度

[投稿日] 2018年10月17日 [最終更新日] 2018年10月17日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

Q.土地の境界をめぐる紛争について、新たに筆界特定制度というものができたと聞きました。どのようなものでしょうか。

 

A.これまで隣地との土地境界について争いが生じた場合、最終的には訴訟を提起して、裁判所に境界を確定してもらうしかありませんでした。ただ、訴訟となると時間がかかることもあり、より簡便かつ専門性を生かす方法として、この度、法務局による行政手続としてスタートしました。この筆界特定制度は、訴訟によらず早く解決する手段のひとつであると言えます。
 この制度の創設は不動産登記法を改正し新たな章を設けることから行われました。
  では、どのような制度かと言いますと「法務局の筆界特定登記官が土地所有者の申請を受け、申請人に意見及び資料の提出する機会を与えた上で、外部専門家である筆界調査委員(弁護士、土地家屋調査士)の意見を踏まえ、筆界の現地における位置を特定する制度」となります。
  手続の大まかな流れは、
   ①土地所有者から法務局へ申請(代理人によることも可能)
   ②筆界調査委員や登記所による関係資料収集調査、現地における調査や測量
   ③申請人及び関係人の意見提出
   ④筆界調査委員による意見書の提出
   ⑤筆界特定登記官による筆界の特定
となります。特定結果は登記記録とされ、これを用いて土地分筆登記などが可能となります。筆界特定の所要期間は6ヶ月が目安とされているようですが、個々の事案により前後することもあるでしょう。なお、申請にかかる手数料は申請時に納付し、現地調査測量を要する場合の費用は申請後に予納することが必要で、いずれも申請人負担となります。
  ところで、この制度の一番の特徴と言えるのは、筆界のみを取り扱うことであり、決して 所有権の範囲には関与しないことです。「境界」というのは土地の地番界を表す「筆界」のことを指し、これと所有権の範囲は別です。一般的には、筆界と所有権の範囲が合致しているものですが、まれに合致しないこともあります。また、筆界は当事者の合意等により移動変更することはできないため「筆界は公法上の境界」とも言われています。従ってこの制度の中では、所有権界の争いに付随する取得時効の主張や、妨害物排除請求、越境物の撤去請求等はできないため、これらの解決は訴訟などの別の手続によることになります。よって、申請する 前に、この制度に馴染むべき事案であるかどうかを、よく検討する必要があります。
  なお、特定結果に不満がある場合は、当事者の一方は裁判に提起することが可能です。この場合は、筆界特定結果及び関係資料は裁判所へ送付され、境界確定訴訟の資料となります。

 詳しくは法務局へお問い合わせください。

吉川 法生 弁護士

注力分野
相続 離婚・男女 交通事故
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  • Icon 3女性スタッフ在籍
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