弁護士コラム

交通事故の後遺症による逸失利益とは?

[投稿日] 2018年11月17日 [最終更新日] 2018年11月17日

Q:私は、交通事故に遭いました。両脚を骨折して、手術を受け、1ヶ月ほど入院し、半年くらい通院しました。入院中は会社を休んで通院の時は半休をとりました。お医者さんから足の関節に機能障害が生じており、これ以上治療してもよくならない後遺症だと言われました。事故の加害者の保険会社にはどんな請求ができるのでしょうか?ちなみに私は30歳で年収は500万円です。

 

A:相談者の方は交通事故に遭われたとのことですが、加害者に対して不法行為に基づく損害賠償請求ができます。損害賠償は、事故と相当な因果関係があると認められるものについて請求することができます。
具体的には、事故により治療費、交通費などがかかったのでそれらを請求したり、仕事を休んだりすると、給料が減額になってしまうため、休業損害として、仕事を休んだことにより減額された給料を請求することもできます。他に慰謝料として入通院慰謝料(入通院の期間や通院日数などが基準となります)や後遺症に対する慰謝料も請求できます。
そして、今回の相談者の方は、足の怪我が後遺症(後遺障害)になるだろうということですので、後遺症による逸失利益が損害として考えられます。
今回は特に事故による怪我が後遺症となった場合の損害を中心にお話をしていきたいと思います。
逸失利益というのは、もし事故の怪我が後遺症にならなければ得られたはずの利益のことです。通院して治療を続けてもこれ以上よくならない(これを「症状固定」といいます)と医師が判断した場合、後遺障害診断書を書いてもらい、自賠責の後遺障害の等級の認定を受けます。
この等級は1級から14級まであり、障害の重さによって等級が決まります。この等級は後遺症に対する慰謝料と逸失利益を計算するために必要な労働能力喪失率の基準となります。この方の場合は、足の関節に機能障害が生じているので、後遺障害の等級は、12級くらいだと考えられます。12級の労働能力喪失率は14%です。実際の労働能力の喪失率をどれくらいかを検討するのは難しいので、このように後遺障害の等級によって、労働能力の喪失率が機械的に定められています。
 後遺障害による逸失利益の計算式は、
「年収×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」です。
労働能力喪失期間とは、症状固定時から67歳までの年数のことを言います。この方の場合は、37年間です。ライプニッツ係数というのは、中間利息を控除するための係数です。逸失利益を37年後の分まで全額請求するので、公平のためにこのような係数を使います。37年に対応するライプニッツ係数は、16.7113です。
この方の逸失利益は、500万円×14%×16.7113=11,697,910円となります。なお、あくまでこれは一例ですので、必ずしもこうなるわけではなく、事故において被害者側にも落ち度がある場合など状況によって金額が変わることもあります。
後遺障害が発生した場合は、損害額が高額になりますので、一度弁護士に相談することをお勧めします。

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