弁護士コラム

事業承継

[投稿日] 2018年11月29日 [最終更新日] 2018年11月29日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

Q.私は今年55歳になる中小企業のオーナーです。
ここまで1代で現在の会社を創り上げてきましたが、仕事はあと10年くらいで引退したいと考えています。
 大学生の私の長男は、私の会社を継いでくれるかどうか、まだ決めかねているようです。数10名の従業員もおりますし、私としましても、会社を長男へ継がすことも含め、引退後も会社を存続させたいと願っています。
どのような方法があるでしょうか。
 

 

A. 日本の経済を支えている中小企業において、経営者の高齢化が進む一方、後継者の確保が困難な状況になってきているという状況にあるようです。また、事業承継対策がうまくいかず、結局、事業の継続が困難となった例もあるようです。
いずれにしましても、今後、中小企業にとって事業承継ということが重要な課題になってきそうです。
そこで、今回は事業承継の方法と注意すべき点を大雑把に取り上げてみます。
ここでいう事業承継というのは、「オーナー経営者が企業の所有権及び経営権を後継者(承継者)に譲る」という意味で考えてみます。その方法は大きく分けて、次の3つが考えられます。

(Ⅰ)親族内承継
(Ⅱ)従業員等への承継あるいは外部からの雇入れ
(Ⅲ)M&A

まず(Ⅰ)親族内承継についてですが、内外の関係者から受け入れられやすい、後継者教育等のための準備ができる、相続等によって財産や株式を後継者に移転することができるなどのメリットがある反面、親族の中に後継者候補がいるとは限らない、相続人が複数いる場合、後継者を誰にするのかで問題が生じるおそれがある等のデメリットがあります。
次に、(Ⅱ)従業員等への承継につきましては、親族の場合と比べ候補者が多い、従業員に承継する場合は、経営の一体性が確保しやすいなどのメリットがある反面、親族の場合以上に後継者候補が経営への強い意志を有していることが重要でしょうが、そうした適任者がいるとは限らない、後継者候補に株式等を取得するための資力が乏しい場合がある、個人債務の引継ぎ等に問題があるなどのデメリットがあります。
(Ⅲ)M&Aにつきましては、候補者を広く外部に求めることができる、現オーナーが会社を売却することによる利益を得ることができるなどのメリットがある反面、譲受先との間で条件面での合意形成が困難である、経営の一体性を保ちにくいなどのデメリットがあります。
 そして、各々の場合について注意すべき点は次のような点です。
(Ⅰ)親族内承継では、後継者候補と連携し、社内や取引先・金融機関へのなど関係者の理解を得ることが必要です。また、後継者教育を図ること、株式・財産を分配することが必要となります。
(Ⅱ)従業員等への承継では、親族への承継以上に、関係者の理解を得ることが必要になってくるでしょう。また、親族への承継と同様、後継者教育も必要でしょうし、株式・財産も、後継者に集中させていることが必要となってきます。この場合、議決権制限株式を発行して取得させる、拒否権付種類株式を現オーナーが一定期間保持するなど、会社法の各種手法を活用して現オーナーの様々な要請に応じることも可能です。
さらに、保証、担保の処理などについて、後継者の債務や保証をできるだけ軽減できるよう、金融機関と交渉する場面も出てくるでしょう。
(Ⅲ)M&Aについては、準備段階で漏らさないこと、専門機関に相談すること、事業承継の条件・売却金額の希望等を早い段階で専門機関に伝えること、会社の価値を高める努力をすることが重要でしょうし、その場合、交渉相手に対して都合の悪いことでも隠しごとをしないということも同時に重要です。

吉川 法生 弁護士

注力分野
相続 離婚・男女 交通事故
  • Icon 1法テラス利用可
  • Icon 1当日相談可
  • Icon 4夜間相談可(18時以降)
  • Icon 3女性スタッフ在籍
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