弁護士コラム

離別による内縁関係解消による財産分与

[投稿日] 2018年12月19日 [最終更新日] 2018年12月19日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

Q: 

 私は、10年前から交際相手の男性と同居しておりましたが、2,3年前から折り合いが悪くなり、別れることになりました。
私たちはお互いに、戸籍上の婚姻関係に特にこだわっていなかったので、入籍はしていませんでした。もっとも、私は専業主婦で、彼のお給料で生活し、周囲の人からは、普通の夫婦だと思われていました。
 戸籍上の夫婦の場合、離婚のときに夫婦で築いた財産の分与を請求できると聞きました。入籍していなければ、財産分与を求めたりできないのでしょうか?

 

A:

 戸籍上の夫婦が離婚した場合、民法では、結婚生活で夫婦が協力し合って築いた財産については、財産分与の請求ができます。
 最近では、戸籍上の婚姻関係にこだわらない方や夫婦別姓を希望するため、実質的には結婚生活を送っていても、入籍をしていないご夫婦も増えてきました。このような関係を「内縁」といいます。
 では、今回の相談者の方のように、離別により内縁関係を解消した場合、戸籍上の夫婦が離婚した場合のように財産分与の請求はできないのでしょうか?
 判例では、内縁の場合も、実質的に結婚生活を送っていたのと変わらないため、戸籍に関係がない限り、法律婚(戸籍上の夫婦)に準じた取り扱いが認められ、離別の場合には、民法の財産分与の規定が準用されます。
 したがって、今回の相談者の方の場合は、財産分与の請求をすることが認められ、10年間の結婚生活で夫婦が協力し合って築いた財産には財産分与請求が認められます。
 しかし、内縁には、法律婚と決定的に異なる場合があります。それは、今回の相談者の方とは違い、一方の死亡によって内縁関係を解消した場合は、法律婚では、一方が死亡すると相続が発生しますが、相続人は戸籍によって決められるため、残された内縁の妻(夫)は、亡くなった夫(妻)の財産を相続できず、遺産は相続人に承継されます。
 以前、内縁の妻が夫と死別した場合に、財産分与の規定の準用を主張して、財産の承継を求めた裁判がありましたが、最高裁判所は、死亡による内縁解消の場合には、財産分与の規定を準用することを認めませんでした。
 もっとも、亡くなった方に相続人がいなかった場合、内縁関係にあった方は、「特別(とくべつ)縁故者(えんこしゃ)」として、相続財産の全部または一部を請求することが出来る場合があります(民法958条の3)。
 このように、内縁関係は、概ね法律婚に準じて取り扱いが認められていますが、死別した場合には、相続できない点で大きな違いがあります。その場合は、遺言を書いておいてもらうなどで対処する方法が考えられます。

吉川 法生 弁護士

注力分野
相続 離婚・男女 交通事故
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