弁護士コラム

交通事故による車両損害

[投稿日] 2019年02月15日 [最終更新日] 2019年02月15日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

質問:私は、新車を買ってわずか1週間後に、通勤途中に信号待ちしていたところ、追突され、車両後部が大破しました。修理は可能なようですが、買ったばかりなので、新車を請求したいのですが、可能でしょうか。
    

回答:交通事故による損害としては、大きく分けて
(ⅰ)治療費などの積極的損害
(ⅱ)逸失利益などの消極損害
(ⅲ)慰謝料
(ⅳ)物損
   となります。
    本件でも、むちうちによる(ⅰ)~(ⅲ)の損害が考えられますが、(ⅳ)が問題となっていますので、物損について考えてみます。
    物損とは、「物」の滅失や毀損による損害で、交通事故の場合、具体的には
      ①修理費用・交換価値
      ②評価損(格落ち・評価落ち)
      ③代車使用料
      ④休車損害
   が考えられます。
 
    まず、①ですが、本問の場合、新車相当額の請求ができるかどうかです。
この場合、修理が可能かどうかが問題となります。修理が不可能、すなわち全損ということであれば、車両の時価額が損害となります。また、物理的には修理が可能であったとしても、その修理費が事故時の時価額を上回る場合は、全損と評価され、車両の時価額が損害となります。
    本件の場合、後部の大破ということですが、修理が可能かどうかによります。修理が不可能か、可能であったとしても新車の代金以上の費用がかかるということであれば、新車相当額の請求ができるでしょう。

    もし、修理が可能ということでしたら、原則として修理費が損害となります。
    この場合、評価損の問題が出てきます。車両を修理してもなお回復できない損害が生じた場合、このような損害についても、これを損害と考えることができます。
    ただ、問題はこの損害を、
     ○a事故歴があるということで、市場価値の低下が認められる
     ○b○aだけでは足りず、修理後もなお機能に欠陥が残っていることから、車両の客観的な価値の減少が認められる
   のいずれと考えるかです。
    実は、この点については、裁判所も見解が分かれているようです。もっとも、○aの場合も、およそ事故歴があれば直ちに市場価値が下がるとするものではなく、中古車市場において市場価値の下落を招く程度の事故歴であることが前提になっています。
    いずれの考え方の場合も、評価損の有無や程度を判断する上で考慮されている事情としては、
     ○ア初年度登録から事故時までの時間的経過の長短
     ○イ走行距離の長短
     ○ウ損傷の部位・程度
     ○エ修理の程度・金額
     ○オ車両の価値(高級車か否か等)
   等です。
    因みに、財団法人日本自動車査定協会等が用いている「中古自動車査定基準」によれば、事故歴(修復歴)減点の適用のある事故車とは、「自動車の骨格等」に欠陥を生じ、これが修理の対象とされていることが要件とされているようです。
    本問の場合も、一定の要件を満たせば、評価損が認められえることもあるでしょう。

    この他の物損としての「代車費用」は、代車の必要性があって、実際にレンタカー等を利用した場合、全損の場合は買換相当期間、一部破損の場合は相当修理期間を基準として損害額が定まります。
    また、「休車損害」というのは、営業用車両についての、車両の買換・修理などのためこれを使用できなかった場合の、操業を継続していれば得られた利益のことです。

吉川 法生 弁護士

注力分野
相続 離婚・男女 交通事故
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  • Icon 4夜間相談可(18時以降)
  • Icon 3女性スタッフ在籍
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