行政指導
[投稿日] 2015年07月10日 [最終更新日] 2016年10月28日
行政機関を得意としている弁護士
皆さんは、運営が不適切な企業などに対し、行政指導が入ったという話を聞いたことがありませんか?
行政指導とは、行政から市民に助言や勧告をしたり、希望・期待を表明したりするものです。市民間の紛争を予防・解決するために出されることもあります。
アドバイスのような位置付けですから、非権力的で法的効果もなく、これに従うかどうかは市民の選択次第。強制力や法的効果がある行政処分とは違って、結局は市民の自由にできるので、一般に法律や条令の根拠がなくとも指導可能と考えられています。
法律に根拠がある場合は、指示、警告、勧告、要求などと呼ばれることが多く、行政手続法上も、「指導、勧告、助言その他」を行政指導としています(2条6号)。
しかし、行政指導かどうかは、呼び名からではなくその内容から判断します。
たとえば道路交通法15条は、警察官に同法違反の歩行者等へ法を守るよう指示できるとしていますが、これを無視すれば罰されるため(同121条1項4号)、いくら呼び名が「指示」でも、内実は服従義務のある行政処分です。
法的根拠のない行政指導には自由さや柔軟さがありますが、その分行政の恣意に偏る危険もあります。
そこで行政手続法は、国の行う行政指導に関し、
などの条文を設け、不透明な行政指導を排除するよう努力しています。
それでも出された行政指導に不満がある場合は、指導を拒否できることや、それによる不利益を被らないことを確認する訴え(行政事件訴訟法4条後段)を起こしたり、行政指導のせいで被った損害の賠償を求める訴え(国家賠償法1条)を起こしたりして対応することも可能です。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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