妻が勝手に私名義の預金を解約した!銀行に責任はないの?

Legalus編集部さん 2014年01月07日

 戸籍上の妻(婚姻関係は破綻している)が、別居費用調達のために勝手に私の通帳と印鑑を持ち出し、定期預金を解約及び払い戻しをしました。私は解約及び払い戻しを行った信用金庫に対して、返還請求を行おうと思っているのですが認められるでしょうか。



(40代:男性)

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Legalus編集部

     今回引き出された金額が当該信用金庫の規約において、定期預金を解約し払い戻す際に本人確認を求める金額を超えていた場合には、本人確認を怠ったとして信用金庫に過失ありとなり、相談者の妻への払戻が正当な弁済とは認められず(民法478条)、相談者の返還請求が認められるでしょう。

     また、仮に一回の払戻が本人確認を不要とする額であっても、下記裁判例による限り一日に複数回に分けて全額払い戻した場合には、信用金庫に過失が認められるでしょう。

     すなわち、平成24・10・4釧路地裁判決は、銀行に普通預金を有する預金者の妻が同一日に同銀行の2支店の窓口で連続してそれぞれ199万円の払戻しを受けた場合において、一回目の払戻には過失は無く、二回目の払戻には過失が認められるとしました。

     まず、第1回目の払戻しについては、当該払戻しが日常的に口座への入出金が行われることを予定する普通口座であること、銀行の内部規定として、1回の払戻額が200万円を超えない場合には、本人確認を要しないとする規定があること、妻の挙動に不審な点が見られなかったことに鑑みると、払戻請求者が口座名義人と別人であることを認識できたからといって、払戻請求者の正当な受領権限を疑うべき事情があったと認めるのは困難であるから、債権の準占有者に対する弁済として過失がなく、銀行は免責されると判断しました。

     他方、第2回目の払戻しについては、窓口担当者において、同日中に第1回目の払戻しがされていることを認識し得たところ、払戻請求者が別々の支店で本人確認を要しないとされていた1回の払戻しの上限額である200万円を超えないそれぞれ199万円ずつの払戻しを受けようとするのは、銀行の本人確認手続を回避しようとするに等しく、正当な払戻権限を有する者ではないのではないかとの疑いを抱くことができたというべきであるから、窓口担当者としては、払戻請求者に対し、氏名、口座名義請求人との関係、第1回目の払戻しと併せて2回に分けて払戻手続を行うに至った理由などを尋ねるべきものであったのに、これを怠っている以上は、債権の準占有者に対する弁済として過失がないとはいえないので、銀行は免責されないと判断しました。

     相談文からは、相談者の妻がどのような方法で払戻を行ったのかは定かではありませんが、まずは信用金庫に取引履歴の開示を求めてはいかがでしょうか。取引履歴からある程度払戻の態様が分かるかもしれません。

     なお、信用金庫から払い戻されなかったとしても、直接、妻に返還請求するという方法もあります。

2014年01月07日

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