犯行後の偽装工作は罪になるのでしょうか?

Legalus編集部さん 2015年08月24日

 自分の犯罪の証拠隠滅は何の罪にもならないですよね?では、自分の犯行後の偽装工作も罪にはならないのですか?それから、偽装工作は、証拠隠滅のひとつとして考えてもよろしいでしょうか??



(20代:男性)

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Legalus編集部

     証拠隠滅罪とは、「他人の」刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者を処罰します(刑法104条)。したがって、ご指摘のように「自分が犯した犯罪」の証拠隠滅を図ったとしても、それだけを取り上げて処罰されることはありません。これは、罪を犯した人間は、多くの場合証拠を隠そう、罪が発覚しないようにしようとするものであり、そもそも犯した罪の中で一連的行為として行われるものであるから、それだけを取り上げては罰しないという背景があるためです。



     次にご指摘いただいた偽装工作は罪になるか、という点について。そもそも、何をもって「偽装工作」と考えてらっしゃるかがあいまいであるため、ある程度場合分けをしてご回答いたします。



     まず、ある人物が罪を犯して、犯行時に用いた道具を処分する、ありもしないアリバイをでっち上げるなど、単純に実行行為者自身に関する部分で偽装工作が完結している場合、これは証拠隠滅罪に言うところの「証拠を隠滅する、偽造する、変造する」という行為に当たります。ただ、自己の犯罪には証拠隠滅罪は成立しません。



     他方で、ある人物Xが殺人を犯した後に、自らの罪を逃れるため「Yが犯人だ」と警察に対して通報するような偽装工作を行った場合、「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした」となるため、虚偽告訴罪が成立することになります(刑法172条)。

     つまり、自らの罪を逃れるためにだれか別の人物を犯人に仕立て上げようと捜査機関などに働きかけを行うような偽装工作の手法をとれば、犯罪を構成する可能性が生じることになるわけです。



     ともあれ、偽装工作が犯罪を構成するかどうかは別にして、そもそも犯した犯罪についての罪は問われるわけです。

     そうではないことを祈ってはおりますが、ご相談者様がなにがしかの罪を犯して、その偽装工作を図ろうとされているような状況であれば、真摯に反省をして自首などをされることをおすすめいたします。

     証拠隠滅とは逆に、自首をしたときは刑が減軽されることがあります(刑法42条、80条、93条、228条の3などを参照)。

2015年08月24日

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