家事事件手続法
[投稿日] 2015年07月10日 [最終更新日] 2016年10月28日
法令を得意としている弁護士
永田 充 弁護士 東京都
野中・瓦林法律事務所岡田 正樹 弁護士 埼玉県
むさしの森法律事務所キーワード:家事事件手続法
平成25年(2013年)1月1日、「家事事件手続法」が施行されました。
「家事事件」とは、家庭裁判所が取り扱う事件のうち、少年事件と離婚訴訟以外のものをいいます。
従来、この審判対象や手続については、「家事審判法」と「家事審判規則」が担ってきたのですが、手続に関する規定が不足していました。
たとえば、審判時に当事者の主張を聞くか否かも家庭裁判所の裁量で判断されており、多くの場合で家庭裁判所ごとに手続が異なるという事態に陥っていたのです。
ついには、審判に対する抗告状(不服申立)を相手方に送らなかったことで、相手方が裁判を受けられず、不利な決定を受ける事件まで生じ(最高裁平成20年5月8日決定、最高裁平成21年12月1日決定)、これが家事事件手続法制定のきっかけとなりました。同法は平成23年(2011年)5月25日に公布され、上記のように平成25年(2013年)1月1日に施行されています。
家事事件手続法は、31条までだった家事審判法から大幅に条文を増やし、293条までとなっています。
まず、基本的な事項については、これまで記載のなかった裁判所の管轄の問題を4条~9条で定めているほか、当事者・代理人の能力等に関する条件を17条~27条に規定しています。
審判や調停、それぞれの不服申立・再審等の手続も、以前よりもずっと詳細に記載されることになりました(39条~288条)。
この手続規定では、手続保障に関する条文も差し込まれています。
当事者や利害関係人に審判への参加を認める「参加(41条~42条)」、一定の事案で当事者の主張を聞くよう定める「陳述の聴取(68条)」などがその例です。
さらに、通話形態でも審判期日に出席したとみなす「電話会議システム(54条)」なども利便性を向上させる新制度として登場しています。
これで、遠隔地にいる相手方との審判も楽にこなせるようになるはずです。
更新時の情報をもとに執筆しています。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。
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