大雪による倒木の賠償責任について

User image 1 匿名ユーザーさん 2016年03月15日 03時03分

 先月の大雪により私の所有する山の木が雪の重みにより倒れ、お隣の工場の屋根をへこませてしまい工場の責任者から賠償してくれと請求されました。そこでお聞きしたいのは、損害を賠償しなければいけないのでしょうか?想定外の大雪、不可抗力を主張し拒否することができますか?



(30代:男性)

匿名弁護士

 工場からの請求で、まず想定されるのが「土地工作物責任」に基づく、損害賠償請求です。民法717条2項は、竹木の栽植又は支持(植え方、支え方)に瑕疵があり、損害を生ぜしめた場合において、その竹木の占有者(持ち主)が損害を賠償すると規定しています。

 相談のケースでは、倒れた木が、竹木の栽植又は支持(植え方、支え方)に瑕疵があるといえるかどうかが焦点になります。

 従来、竹木に関する土地工作物責任は、家の庭木のように、人の手による管理がされている竹木を対象とし、自然に生えている木は対象にされにくい状況がありました。

 ところが、最近の傾向としては、「竹木の置かれた環境を考慮しつつ、その環境に応じて必要な管理がなされているかどうかで瑕疵を判断する」運用がされています(参考判例:東京高判昭和56年9月30日判時1020号、大阪地判平成19年5月9日判タ1251号283頁など)。

 したがって、相談されたケースでは、工場と木の近さ、木が倒れやすい環境であったか、普段の木の管理状況などを総合的に考慮して瑕疵があるかどうかを判断することになると思われます。相談者がおっしゃる「想定を上回る大雪だった」という主張も、瑕疵の有無を判断する一要素として考慮されるでしょう。



 上記の請求の他には、民法709条で規定される「一般不法行為責任」に基づく損害賠償請求もありえます。これは、故意又は過失(いわゆる不注意)によって、他人(ここではお隣の工場)の権利又は法律上保護される利益を侵害した(倒木により屋根を壊した)者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うというものです。相談事例で考えると、相手方である工場からは「木の管理に不注意があり、倒木して被害が生じたから賠償してほしい」ということになろうと思います。



 これら2つの賠償請求は二重に金額を支払うというわけではなく、屋根の修理費用を請求する上で、2つの主張方法がありえるということを意味します。主張のしやすさから考えれば、土地工作物責任で賠償請求をされる公算が高いと思われます。
 もっとも、いずれの方法にしても、現時点では損害賠償義務が確定したわけではありませんから、今すぐに何がしかの賠償をしなければならないというわけではありません。
 一度、上記の点を踏まえた上でお隣の工場責任者と話し合いの席を持ち、それでももつれそうならば、弁護士に相談され、交渉を代行してもらうなどの対応をされた方がよろしいかと思われます。

2016年03月15日 03時03分

投稿時の情報です。適法性については自身で確認のうえ、ご活用ください。

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