空き地を所有している場合雑草の除去は義務でしょうか?

Legalus編集部さん 2014年09月29日

 遠隔地に空き地を所有しています。地目は山林なので、雑草や潅木が生えております。現在不動産業者経由で売りに出しております。隣地は一般の住宅地で、風致地区等の条例は適用外です。

 最近、このお宅から空き地の雑草が見苦しいので、除去して欲しい旨の依頼がありました。住宅地に隣接するとはいえ、地目が山林ですので、「見苦しい」という理由で雑草の除草が毎年恒例化するのは困ります。良い案をよろしくお願いいたします。



(60代:男性)

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Legalus編集部

     各自治体によっては、空き地の雑草などの除去に関する条例を設けているところもあるため(参照:名張市あき地の雑草等の除去に関する条例)、こうした自治体の管轄する地域内の土地では、雑草を除去せよと指導される場合があります。

     そのため、所有されている土地のある自治体にこうした条例があるかどうかを確認する必要があります。

     条例がある場合でも、空き地についての定義は様々であり、所有される土地が条例で規制される空き地に該当しない場合もあります。また、指導の対象となるのは、空き地であることに加え、「危険な状態である」などの付加的な条件を満たす場合に限られている場合が多いです。そのため、条例があったとしても、雑草が「見苦しい」だけでは、何らかの対処がすぐに必要となるというものでもありません。

     しかも、雑草除去が「努力義務」という程度であり、除去を放置しても、行政から指導を受ける程度の法的拘束力しかないのが実情です。



     条例以外で、雑草除去の義務が生じるケースとしては次のようなものが考えられます。

     所有されている空き地の雑草に害虫の類が住み、それらによって近隣の家に損害が生じた場合に、近隣の家の方から、その方の所有権に基づく妨害排除請求(家や土地の所有権に基づく)として「生息している雑草も含めて原因を除去してくれ」と頼まれた場合は、応じなければいけない可能性はあります。

     その他には、空き地の雑草が生い茂り、境界線を越えて隣家の敷地へ枝葉が侵入した場合は、隣家から竹木切除権(民法233条)に基づいて要請されたら、枝葉を切り取らなければならないという規定があります。

     したがって、過度に繁茂し、隣家との境界線を侵すような状態になれば、刈り取りの必要性が生じますが、「見苦しい」との理由から雑草の刈り取りを義務化する法律は基本的にはないと言えます。



     以上から、基本的に所有する土地において雑草の管理は所有者にゆだねられているため、近隣に住まわれている方から意見があったとしても、耳を貸さなくてもよいということにはなります。

     もっとも、売りに出されているということでしたら、購入される方は、近隣の方と揉めた土地かどうかという点は気になる部分だと思われます。また、雑草が生い茂っているよりは、きちんと管理された土地の方が、買い手がつきやすい傾向があるのではないかとも考えられます。耳を貸さない、という強硬な姿勢よりは、売却のしやすさも考えて定期的に雑草の除去などの手入れをなされるべきではないかと考えます。

2014年09月29日

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