地震でうちの屋根瓦が隣の家屋を破壊!どうなる?

Legalus編集部さん 2015年04月15日

 地震で屋根瓦が落ち隣の敷地に散乱しました。駐車場の屋根が破損した賠償と瓦の回収を要求されています。天災の場合どこまで責任が及びますか?



(40代:男性)

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Legalus編集部

     まず、お隣の駐車場の屋根の賠償について回答します。



     この場合の損害賠償の根拠となるのは民法717条工作物責任)です。



     同条は、「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。」と規定しています。



     屋根瓦は、「土地の工作物」にあたります。



     また、同条の、「設置又は保存に瑕疵がある」とは、その工作物が、通常備えているべき安全性を欠いていることを言います(最判昭45年8月20日)。



     工作物が通常備えているべき安全性の欠如とは、通常予想される危険に対応した安全性を指します。



     ですので、異常な自然力(不可抗力)により生じた危険に対する安全性まで備えている必要はありません。



     本件のように、地震によって屋根瓦が落下し他人に損害を生じた場合には、もともと瓦が落ちそうであったということでない限り、「設置または保存に瑕疵がある」とはなりません。



     したがって、相談者は、法律上お隣の駐車場の屋根の損害賠償をする必要はありません。



     次に、瓦の回収について回答します。



     この場合の法的根拠は、お隣の土地所有権に基づく妨害排除請求権です(これを物権的請求権といいます。)。



     物権的請求権は故意・過失に関係なく、物権を侵害していること(本件では、瓦がお隣の土地の利用を妨げている状態のことです。)によって認められるものです。



     もっとも、本件のような場合には、工作物責任が認められないこととの均衡からこの物権的請求権も認められないと思われます。



     したがって、相談者は法律上瓦の回収もする必要はありません。



     以上のように、本件は天災によって起きたことですので、相談者が法律上責任を負うことは無いといえます。



     しかし、ご近所付き合いのことですので、なるべく誠意を尽くされるのがよいと思います。



     特に、瓦の回収は、容易なのであれば自主的に行われることをお勧めします。

2015年04月15日

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