テナントビルの賃料に不満!

Legalus編集部さん 2014年01月07日

 私の会社は、8階建てのテナントビルに入っています。1年程前から空室が目立つようになり、ここの管理会社が募集の広告や地元不動産会社に案内をしているのですが、その募集テナント料金が、なんと、現在入居している会社(当社含む)の契約よりも低くなっています。
 この件で管理会社に文句をいい、減額してくれと要求しましたが聞き入れてくれません。その担当者に、ひとごとのように「うちの会社は、融通が利かないんです。このような件で出居されたところもあります。実は、このビルの各社さんとも、契約坪単価が違うんです。」と。
 いっそ、このビル内のテナント各社に、私の要求に対する同意を求める署名回覧でもまわしてやろうかとも思っていますが、何かこの問題の解決に実効性のある法律があるんでしょうか?

(20代前半:男性)

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Legalus編集部

     不況が長引いているせいもあり、テナントビルの経営は大変厳しいものがあります。 従来のテナントが支払っている賃料よりもはるかに低い賃料で募集がなされているケースも多くみられるようです。

     御社のような従来のテナントがこのことを知った場合、「今の賃料を、募集している水準まで下げてくれ。」と言いたくなるのももっともなことといえるでしょう。
     実際、こうした賃料改定をめぐる紛争は最近になって急増しているのです。

     この点、借地借家法32条(旧借家法7条)は、以下に述べるような一定の条件の下、賃借人の借賃増減請求権を認めています。

     ご相談の場合に即して申しますと、建物の賃料が、土地・建物の価格が低下するといった経済事情の変動により、または、近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となった以上は、契約の条件にかかわらず、テナント側から、将来に向かって建物の借賃の額の減額を請求することができるのです。

     ただし、一定の期間建物の借賃を減額しない旨の特約がある場合には、その定めに従います。
     建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた人は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができます。
     ただし、その裁判が確定した場合に、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければなりません。

     とはいえ、契約を締結した当時と比べて非常に大きく事情が変動した場合には、減額請求が認められる場合もあります。

     では、賃料減額が認められた場合、預託した敷金・保証金の一部を返還するよう請求することは可能でしょうか。
     敷金や保証金は、通常、賃料の何ヶ月分という形で定められているのが通常ですから、一ヶ月分の賃料の金額が減額されたことにより、敷金や保証金の金額も減額になると考えることも可能です。
     この問題は、敷金・保証金の法的性質、算定方法等、様々な要因を総合的に考えて判断されることになります。
     この点については、賃料減額の際に敷金・保証金の運用利益の控除が考慮されていたという理由で、敷金・保証金の一部返還を認めなかった裁判所の判断があります(東京地裁平成8年10月28日判決)。

2014年01月07日

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