11年前の水漏れ被害を弁償しなければならない?

Legalus編集部さん 2014年05月20日

 公団住宅に住んでいます。11年前に下の階に水漏れを起こしてしまい、階下の住民から、ふすま、畳及び電化製品を弁償してほしいと言われたので弁償しました。

 先日また水漏れを起こしてしまいました。今回は水滴が少し落ちてきた程度とのことで、被害はなかったのですが、相手から11年前の水漏れで床の変色と壁紙の剥がれがあるため、すべての部屋の分交換してほしいと言われました。

 確かに壁紙も汚れていたし、床も変色していましたが11年も経っているので、本当にその時の水漏れが原因かわかりません。費用を支払うべきなのでしょうか。



(30代:女性)

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Legalus編集部

     相談者は、今回の「床の変色と壁紙の剥がれ」に関して弁償をする必要はありません。

     相談者のように水漏れを起こし階下の者に損害を与えた場合、水漏れを起こした者は不法行為責任を負うことになります(民法709条)。

     もっとも、不法行為責任は、被害者が損害および加害者を知った時から3年間行使しない時は時効によって消滅します(民法724条)。

     階下の住民の主張によると、相談者は11年前に水漏れによって階下の住民に「ふすま、畳、電化製品」及び「床の変色と壁紙の剥がれ」という損害を与えたことになります。そして、11年前に相談者に対して前者の弁償を求めていたことから、相談者が加害者であることは11年前に知っていたことになります。また、「床の変色と壁紙の剥がれ」について水漏れから8年経った3年前の時点で気づいていなかったというのは社会通念上考えられません。

     以上より、階下の住民は損害および加害者を知った時から3年間損害賠償請求権を行使しなかったといえます。

     したがって、相談者の不法行為責任は時効により消滅したと考えられます。



     また、仮にこの時効の主張が通らない時でも、「床の変色と壁紙の剥がれ」が11年前に相談者が起こした水漏れによるものであることの証明は法律上階下の住民がしなければならないので、相談者は『「床の変色と壁紙の剥がれ」は11年前のものではない』と否認だけをしていればよいでしょう。

2014年05月20日

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