貸主の会社が倒産し、立退きを求められています

Legalus編集部さん 2014年01月07日

 3年前、店舗用建物を賃借し、リフォーム費用を投入しました。ところが、賃貸先の会社が倒産し、「貸している物件は銀行の担保に入っているので、立ち退いてもらわなければならない」と言われました。銀行はこの建物を競売にかけるようですが、できればこのまま借りていたいと考えています。私は立ち退かなければならないのでしょうか?立ち退くことになる場合、リフォーム費用を立退料に加味してもらえるでしょうか?

(50代:女性)

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Legalus編集部

    1.賃借権と抵当権の優劣関係

     賃貸物件に抵当権が設定されている場合、抵当権者は、高値で競落されることを望むため、当該物件に他人の権利が付着することを嫌います。それに対し、賃借人は、競売以降も当該物件を継続使用したいと考えるのが通常です。そこで、このような利益対立を調整するため、法は『対抗要件』〔自己の権利を他人にも主張できるための要件〕という制度を設け、その前後によって両者の利益調整を行います(民法605条)。不動産の登記や賃借権の登記がこれにあたりますが、建物賃貸借の場合には、賃借権の登記がなされていなくても、賃借物件が引渡されているだけで対抗要件を備えたものとされます(借地借家法31条1項)。したがって、あなたの場合、賃借権の登記を得ていなかったとしても、賃借物件の引渡しを受けた時点で賃借権の対抗要件を備えたことになります。
     では、あなたの賃借権と銀行の抵当権はどちらが優先するのでしょうか?どちらの対抗要件が先に備わったのかが問題となりますが、相談文からは明らかでないため、場合を分けて検討します。

     

    2.抵当権の登記よりも先にあなたが建物の引渡〔または賃借権の登記〕を受けていた場合

     この場合、あなたの賃借権は競落人に対抗できます(借地借家法31条1項)。そして、競落人は従前の貸主の地位をそのまま承継し、原則として賃貸借関係はそのまま更新されます。ただ、競落人が解約を望めば、あなたは相応の金銭給付〔立退料〕を受けて立退くこともできます(借地借家法26条~28条)。

    3.抵当権の登記後にあなたが建物の引渡〔または賃借権の登記〕を受けた場合

     競落人の買受けから6ヶ月間は明渡義務が猶予されますが、あなたの賃借権は競落人に対抗できません(民法395条)。したがって、競落人から明渡を請求された場合、あなたは賃借物件を退去しなければなりません。また、競落人は賃貸人としての地位を受け継ぎませんので、敷金の返還等を競落人に請求することもできません。ただし、競落人が明渡しを要求しなければ、継続使用することは可能です。

    4.立退く場合、リフォーム費用を加味した立退料を受け取れるか

    (1) 賃借権が抵当権に対抗できる場合

     この場合、競落人は賃貸人の地位を承継します。そこで、賃借人(あなた)が支出した必要費〔物の保存と管理に必要な費用〕・有益費〔物を改良して価値を増加させる費用〕は賃貸人(競落人)が負担することになりますので(608条)、必要費・有益費に含まれる範囲で、あなたはリフォーム代金の償還を競落人に請求できます。ただ、事業用建物の賃貸借契約には原状回復約款が付されているのが普通ですし、また、あなたにとって有益であったリフォームが競落人にとっても有益であるとは限りません〔むしろ、原状回復費用を支出しなければならないので不利益であると思われます〕。そのため、雨漏りの修繕費などの必要費については格別、通常の事業用建物のリフォームとして考えられるパーティションや絨毯などの設置費用などの有益費については価値の増加が認められず、償還請求なしえないと考えられます。したがって、立退く場合、リフォーム代金のうちの必要費相当分を加味した立退料を競落人に要求することはできますが、有益費相当額を加味した額を要求するには法律上の根拠がありません。

    (2) 賃借権が抵当権に対抗できない場合

    この場合、あなたと競落人は占有者と所有者の関係に立つため、あなた(占有者)は支出した必要費・有益費についての償還を所有者(競落人)に対して請求できます(民法196条)。ただ、事業用建物は他人へ賃貸することを前提としていますので、あなたにとって有益であったリフォームも、一般的に、競落人にとっては不利益にあたります。そのため、(1)の場合と同様、必要費については格別、有益費については償還請求しえないと考えられます。また、この場合には立退料を要求する法律上の根拠もありません。そのため、立退料を受け取ることもできません。したがって、この場合にあなたが競落人に請求できるのは必要費のみであって、それ以外は請求できないことになります。〔ただ、現実的には費用がなければ立退くこともできませんので、この点は競落人と協議をする余地があろうかと思われます〕。

2014年01月07日

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