貸主の会社が倒産し、立退きを求められています

Legalus編集部さん 2014年01月07日

 3年前、店舗用建物を賃借し、リフォーム費用を投入しました。ところが、賃貸先の会社が倒産し、「貸している物件は銀行の担保に入っているので、立ち退いてもらわなければならない」と言われました。銀行はこの建物を競売にかけるようですが、できればこのまま借りていたいと考えています。私は立ち退かなければならないのでしょうか?立ち退くことになる場合、リフォーム費用を立退料に加味してもらえるでしょうか?

(50代:女性)

関連Q&A

大家さんから毎月の水道料金の請求書が来なく、ポストにメモ紙だけが入っています。

不動産賃貸 2017年01月21日

現在のマンション入居契約時の書類で、水道だけは大家さんが手配しているので戸別に水道局と契約する必要がないと書かれていました。現在、入居してから1年になりますが、大家さんから水道料金の請求書は一切届いていなく、単にポストの中に「***号...

無期限で物件を貸し、返してほしいのですが…

不動産賃貸 2017年01月20日

国外に10年程出ていて、帰ってくるめどが、つい一年ぐらい前まで立っていませんでした。 なので不動産屋を通じて所有しているアパートを無期限で貸しています。 契約は2年ごとに更新です。 不動産屋にそろそろ日本に帰ってくるので返してもらえる...

解決してない質問があれば、新しく質問を登録しましょう!

新しく質問する

Legalus編集部

    1.賃借権と抵当権の優劣関係

     賃貸物件に抵当権が設定されている場合、抵当権者は、高値で競落されることを望むため、当該物件に他人の権利が付着することを嫌います。それに対し、賃借人は、競売以降も当該物件を継続使用したいと考えるのが通常です。そこで、このような利益対立を調整するため、法は『対抗要件』〔自己の権利を他人にも主張できるための要件〕という制度を設け、その前後によって両者の利益調整を行います(民法605条)。不動産の登記や賃借権の登記がこれにあたりますが、建物賃貸借の場合には、賃借権の登記がなされていなくても、賃借物件が引渡されているだけで対抗要件を備えたものとされます(借地借家法31条1項)。したがって、あなたの場合、賃借権の登記を得ていなかったとしても、賃借物件の引渡しを受けた時点で賃借権の対抗要件を備えたことになります。
     では、あなたの賃借権と銀行の抵当権はどちらが優先するのでしょうか?どちらの対抗要件が先に備わったのかが問題となりますが、相談文からは明らかでないため、場合を分けて検討します。

     

    2.抵当権の登記よりも先にあなたが建物の引渡〔または賃借権の登記〕を受けていた場合

     この場合、あなたの賃借権は競落人に対抗できます(借地借家法31条1項)。そして、競落人は従前の貸主の地位をそのまま承継し、原則として賃貸借関係はそのまま更新されます。ただ、競落人が解約を望めば、あなたは相応の金銭給付〔立退料〕を受けて立退くこともできます(借地借家法26条28条)。

    3.抵当権の登記後にあなたが建物の引渡〔または賃借権の登記〕を受けた場合

     競落人の買受けから6ヶ月間は明渡義務が猶予されますが、あなたの賃借権は競落人に対抗できません(民法395条)。したがって、競落人から明渡を請求された場合、あなたは賃借物件を退去しなければなりません。また、競落人は賃貸人としての地位を受け継ぎませんので、敷金の返還等を競落人に請求することもできません。ただし、競落人が明渡しを要求しなければ、継続使用することは可能です。

    4.立退く場合、リフォーム費用を加味した立退料を受け取れるか

    (1) 賃借権が抵当権に対抗できる場合

     この場合、競落人は賃貸人の地位を承継します。そこで、賃借人(あなた)が支出した必要費〔物の保存と管理に必要な費用〕・有益費〔物を改良して価値を増加させる費用〕は賃貸人(競落人)が負担することになりますので(608条)、必要費・有益費に含まれる範囲で、あなたはリフォーム代金の償還を競落人に請求できます。ただ、事業用建物の賃貸借契約には原状回復約款が付されているのが普通ですし、また、あなたにとって有益であったリフォームが競落人にとっても有益であるとは限りません〔むしろ、原状回復費用を支出しなければならないので不利益であると思われます〕。そのため、雨漏りの修繕費などの必要費については格別、通常の事業用建物のリフォームとして考えられるパーティションや絨毯などの設置費用などの有益費については価値の増加が認められず、償還請求なしえないと考えられます。したがって、立退く場合、リフォーム代金のうちの必要費相当分を加味した立退料を競落人に要求することはできますが、有益費相当額を加味した額を要求するには法律上の根拠がありません。

    (2) 賃借権が抵当権に対抗できない場合

    この場合、あなたと競落人は占有者と所有者の関係に立つため、あなた(占有者)は支出した必要費・有益費についての償還を所有者(競落人)に対して請求できます(民法196条)。ただ、事業用建物は他人へ賃貸することを前提としていますので、あなたにとって有益であったリフォームも、一般的に、競落人にとっては不利益にあたります。そのため、(1)の場合と同様、必要費については格別、有益費については償還請求しえないと考えられます。また、この場合には立退料を要求する法律上の根拠もありません。そのため、立退料を受け取ることもできません。したがって、この場合にあなたが競落人に請求できるのは必要費のみであって、それ以外は請求できないことになります。〔ただ、現実的には費用がなければ立退くこともできませんので、この点は競落人と協議をする余地があろうかと思われます〕。

2014年01月07日

不動産賃貸に強い弁護士

【堺市】南海本線堺駅すぐ

お客様の状況に応じた解決策をご提案致します。

依頼者の一番の味方となり、ベストな解決を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

丁寧な説明を心がけています。

法律問題のご相談をお受けします。まずはご連絡下さい。

解決してない質問があれば、新しく質問を登録しましょう!

新しく質問する
ページ
トップへ