地震で借家が倒壊したら、大家さんの責任?

Legalus編集部さん 2015年04月21日

 現在、中古住宅を購入しようと考えています。建物は昭和53年2月に建築され、32年経ちます。地震補強などを行わずに借家にする考えです。もし、地震などで倒壊し借家人がけがなどした場合、借家の持ち主に損害賠償責任が生じるのでしょうか。


(50代:男性)

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Legalus編集部

     当時の耐震基準を満たしていない場合などは、借家の所有者が損害賠償責任を負う場合もあります。


     建物に何らかの瑕疵(欠陥)があり、それによって他人に損害が発生した場合、建物の所有者の責任が問われる場合があります(民法717条工作物責任)。

     
    実際に、建物の所有者の責任を認めた裁判例として、阪神・淡路大震災によって建物が倒壊し、建物1階の居住者4人が死傷した事案で、建物が本来有すべき安全性を有していなかったことにより損害が発生したとして、建物所有者の損害賠償義務を認めた例があります(神戸地裁平成11年9月20日判決)。


     建物に瑕疵があるといえるか、すなわち本来有すべき安全性を備えているといえるかは、基本的には、当時の建築基準を満たしていたかにより判断されます。

     
    当時の基準を満たしていれば、現在の基準を満たしていなくても、現在の基準に従って建物を補修・改築することが法令などで要求されていたりするのでない限り、建物に瑕疵があるとまではいえないでしょう。


     ご相談の場合は、昭和53年2月に建築され、32年が経過した中古住宅を借家にしたいとのことです。そして、建築基準のうち、地震に対して建物をどのように作るかという「耐震基準」は、昭和56年6月に建築基準法が改正されたことにより、従来の旧耐震基準から、新耐震基準へと移行しています。

     
    そのため、ご相談の建物が、建築当時の基準である旧耐震基準を満たした建物であり、その後に何ら異常がないような場合は、現在の基準に適合するように補修や改造をすることを怠ったからといって、所有者が責任を負うとまでは考えにくいです。


     ただし、3階以上で床面積の合計が1000㎡を超える共同住宅や事務所の場合、所有者は、建物の耐震診断を行い、必要に応じて耐震改修を行うよう努めなければならないとされています(建築物の耐震改修の促進に関する法律6条1号、同施行令2条2項3号)。ご相談の建物がこれにあたる場合は、耐震改修を怠ると、建物の瑕疵が認められるおそれがありますので、注意しましょう。


     なお、建物の賃貸借契約を結んだ場合、賃貸人は、賃借人に対して、建物を正常な状態で使用させる義務があります(民法601条)。建物が契約によって定まった目的に従って使用できなくなった場合には、これを修繕すべき義務もあります(同606条)。

     
    現在は建物に異常がなくても、徐々に建物が傷み、改修が必要となる場合も充分考えられるので、これから先長く賃貸するにあたって、耐震改修などを済ましておくことが望ましいことは間違いないでしょう。

2015年04月21日

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