離婚時に自宅の使用貸借を認められていたのに、自宅が競売された!

Legalus編集部さん 2015年07月23日

 知人女性についての相談です。平成20年の離婚の際、知人は10年間住宅を無料で使用する使用借権を公正証書で作成しました(平成20年から平成30年まで)。ご主人(債務者)はローン借り入れのまま平成20年自宅から移転しました。その4年後、平成24年に自宅が抵当権実行のため競売になりました。競売で落札し所有権がかわったのですが公正証書による使用借権が有効なのでしょうか?



(60代:男性)

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Legalus編集部

     結論から言うと、相談者の知人女性は自宅に住み続ける事はできません。

    賃貸借契約の場合、抵当権設定登記よりも前に賃借権の登記もしくは建物の引渡がなされていれば、競落人に対しても賃借権を主張する事ができます(借地借家法31条1項)。

    これは、借地借家法の適用によって、認められるものです。

    一方、使用貸借契約にはこの借地借家法の適用はありません。したがって、使用貸借契約の場合、たとえそれが公正証書によるものであっても、その建物の所有権が売買・競売などの理由で他の者に移り、その者から立退きを要求された場合には、出て行かざるを得ません。



     もっとも今回の場合、知人女性は元夫に対し損害賠償を請求する事ができるでしょう。

    なぜなら、知人女性は元夫との間で、離婚後十年間は本件住宅に無償で住む事が出来るという約束(契約)を交わしているのにもかかわらず、今回のような事になってしまったのであり、これは債務不履行にあたるといえるからです。

    この債務不履行に基づく損害賠償請求において、公正証書が証拠となるでしょう。ただし、使用貸借である以上、損害賠償額は通常よりは低くなるでしょう。

2015年07月23日

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