弁護士コラム

頚(頸)髄損傷による後遺障害(後遺症)

[投稿日] 2018年07月05日 [最終更新日] 2018年07月05日
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岡田 正樹 弁護士 むさしの森法律事務所

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頚髄損傷は,脱臼骨折により生じることが多くありますが,脱臼骨折がなくても,生じることもあります。
損傷した頚髄の部位によっては,生命の危険があったり,重度の後遺障害が残すことがあります。


1 頚髄とは。
頚(頸)髄の頚とは首の意味です。

頚髄は脊髄の首の部分です。
脊髄とは,背骨の中の脊柱管を通っている中枢神経です。

頚髄は,その首の部分の中枢神経があるところです。
そのため交通事故で傷つくと重症となります。 
最悪の場合には死亡したり,辛うじて命を取り留めても寝たきりになる可能性があります。


2 その頚髄がどのようにして損傷してしまうのですか。
頚髄は,頚椎という骨で保護されています。
頚椎は7つあり,椎体と椎体が線維軟骨である椎間板で連結されています。

各椎骨の後方には椎弓があり,上下に隣接する椎骨毎に左右1対ずつの椎間関節を作り可動性を保ちながら連結されています。

普通は,頚椎が防御するので頚髄が損傷することはありません。
しかし過屈曲損傷,あるいはそれらに回転力による強い外力が加わると,本体部分の骨である椎体がずれて,頚髄を損傷させるのです。

あるいは,頚椎を支えているしている黄色靱帯・後縦靱帯が変性(加齢性変化)して硬くなってしまって骨化症と呼ばれる状態になっていることがあります。
これらの靱帯が頚髄を直接に圧迫してサンドイッチのように挟み込んでしまうこともあり,あるいは外力による椎体のズレと靱帯の圧迫とが合わさり損傷させることもあります。


3 頚椎の脱臼骨折と脊髄損傷との関係
過伸展で頚髄が損傷していても,ずれた椎体が元の位置に戻ってしまっていると,脱臼骨折は起こらないことがあります。
しかし,多くは,椎体がずれたり破壊されて頚髄損傷となりますから,関係します。
頚椎の脱臼骨折があると頚髄損傷が起こりやすくなります。
ただし,重症かどうか,あるいは,その程度は,頚椎の部分であるかによります。
特に,高位つまり延髄に近いかどうかも大きな要素になります。


4 受傷した頸部部位に対応する重症度
(1) 環椎骨折(Jefferson/ジェファーソン骨折)
C1(第1頚椎=環椎)の破裂骨折です。
頚髄損傷となると,ほぼ即死です。

(2) 環軸関節脱臼
C1(第1頚椎=環椎)とC2(第2頚椎=軸椎)との間にある関節です。
脱臼の多くは,屈曲外力により生じます。
頚髄損傷となると,ほぼ即死です。

(3) 軸椎骨折
C2(第2頚椎=軸椎)の骨折には,歯突起骨折と軸椎関節突起間骨折(Hangman骨折)があります。
歯突起骨折の場合には,重症化せず予後は良いとされていますが,軸椎関節突起間骨折(Hangman骨折)は,椎体と椎弓が離開をして名称の語源どおりほぼ即死です。

(4) 中・下位(C2から7)頚椎脱臼骨折
この部分の頚椎は,ほぼ同様の形態をとっています。
即ち,左右後側方の椎間関節と前方椎体間の椎間板(軟骨結合)で構成されています。
この構成で頚椎の屈曲,伸展及び回旋運動が行われます。
構造形態が同じために損傷も極めて類似をしています。
しかし,C4より高位(C2から4)の損傷は,重症です。
またC4より下であっても椎弓と棘突起の骨折以外は,頚髄損傷の発生の可能性は高いとされています。


5 後遺障害(後遺症)
頚髄損傷は,四肢麻痺,そして五肢麻痺(pentaplegia,四肢麻痺+頚部麻痺),さらには呼吸筋麻痺による呼吸機能障害を含めたのリスクがあります。
基本的に発症部位に関連して残存能力がどこまであるかが,あるいは,どこまで今後のADL(日常生活)に活用できるかの問題となってきます。

ちなみに考えられる等級は,次の様なものです。

一応の目安ですが,脳=延髄に近い部分が損傷するほどに後遺症は,重篤と言えそうです。
そして,生命に関わるものです。救命されたとしても,重度です。
麻痺の範囲と程度との関係では以下のとおりに判断されます。

別表第1
1級1号【常時介護:常に他人の介護を要するもの】
2級1号【随時介護:随時介護を要するもの】
別表第2
3級3号【介護を要さないとされるもの】

C4以上の高位での損傷は,1級1号,C5,6は2級1号,C7は2級1号または3級3号と考えられます。 

岡田 正樹 弁護士

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