弁護士コラム

股関節の可動域制限が生じるのはどのような場合ですか。そして,その場合は後遺障害(後遺症)等級はどうなりますか。

[投稿日] 2018年07月11日 [最終更新日] 2018年07月11日
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岡田 正樹 弁護士 むさしの森法律事務所

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股関節は骨盤骨の一部と大腿骨から成り立っていて骨盤側の寛骨臼が大腿骨を包み込むような構造をしています。
骨盤あるいは大腿骨,さらに両方の損傷により股関節の機能障害である可動域制限が生じることがあります。

可動域制限は主要運動の測定によることが原則です。
股関節の主要運動は,屈曲・伸展あるいは外転・内転です。
その制限の程度によって,「1下肢の3大関節の1関節」の後遺障害として8級6号(用廃),10級10号(著しい障害),12級6号(単なる障害)と等級認定されます。

1 股関節の可動域制限が生じるおそれがある外傷とは何ですか。
(1)外傷性股関節脱臼
股関節脱臼とは,骨盤から大腿骨骨頭部が脱臼することです。
大腿骨の先端部分である骨頭部が骨盤にはめ込まれているのですが,それが抜けてしまうことです。
関節脱臼となると大腿骨頭が寛骨臼底を破って骨盤内に突出する状況になり,しかも寛骨臼底の骨折を伴った脱臼骨折となると重症です。
おなじ股関節脱臼でも大腿骨頭部の損傷を伴わなければ後遺障害となる残存症状は考えにくいとされています。

(2)(骨盤の)寛骨臼骨折
骨盤は,仙骨および左右の寛骨で構成されています。
寛骨は成長期は腸骨・坐骨・恥骨の3つに分かれていますが,成人となって骨成長が終了すると,1つの骨となります。
寛骨の中で関節を構成する部分が寛骨臼(カンコツキュウ)です。
骨折の機転としては,大腿骨頭がハンマーのように動いて寛骨臼に衝撃を与えることです。
その結果,寛骨臼の破壊となります。
その場合には,股関節固定術・人工関節置換術への適応となる可能性があります。

(3)大腿骨骨頸部骨折
大腿骨骨折の中でも,骨頚部は,股関節の可動域制限に関係します。
股関節は,骨盤を形成する寛骨にある寛骨臼に大腿骨骨頭が入っている状態にあります。その大腿骨骨頭のすぐ下の大腿骨のくびれた部分が大腿骨頸部です。
若年者の場合には,高エネルギー外傷でなければ生じませんが,高齢者では路上での転倒といった低エネルギー外傷でも生じて,転位を確実に生じ,人工骨頭置換術あるいは人工股関節術を行うことになります。
人工骨頭置換術あるいは人工股関節術を行った場合に後遺障害の対象となります。


2 後遺障害(後遺症)の各等級の内容は,どうなりますか。
(1)8級6号(用廃)
a. 関節が強直したもの
関節強直とは,関節自体が癒着して可動性を喪失した状態です。まったく動かない完全強直とそれに近いものを言います。
つまり,関節が全く可動しないか,またはこれに近い状態を言います。
「これに近い状態」とは,健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。
b. 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの
他動では可動するが,自動では動かないもの,「これに近い状態」とは,他動では可動するが,自動では健側の可動域の10%程度以下(5度単位で切り上げて計算します。)に制限されたものをいいます。
c. 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち,その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
人工関節・人工骨頭を挿入置換した場合は,主要運動である屈曲・伸展か外転・内転のいずれか一方の可動域が健側の1/2以下に制限されていれば「関節の用を廃したもの」として認定することとされるとなっています。

(2)10級10号(著しい障害)認定 
a. 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
b. 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち,その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されていないもの
主要運動である屈曲・伸展か外転・内転のいずれか一方の可動域が健側の1/2以下に制限されていない場合です。
この場合には,全く可動域の制限がないものも含まれます。

(3)12級6号(単なる障害)認定 
関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの

岡田 正樹 弁護士

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