弁護士コラム

先日,強引な車線変更をして入ってきた車両との衝突避けようとして急ブレーキをかけて左にハンドルを切ったところ自分の車両を道路脇の電柱に当ててしまって,車両は壊れ私も怪我をしました。このように接触をしない場合にも相手方に責任を認めさせることはできるのでしょうか。

[投稿日] 2018年09月10日 [最終更新日] 2018年09月10日
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岡田 正樹 弁護士 むさしの森法律事務所

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1 接触がないときであっても,車両の運行が被害者の予測を裏切るような常軌を逸したものであって,これによる危難を避けるべき方法を見失うなど,衝突にも比すべき事態である場合には事故と被害者の受傷との間に相当因果関係を認めるのが相当であるとされています 。
つまり,相手方車両の行動が被害者車両に「運転方法を著しく変更させる措置をとることを余儀なくさせる場合」に該当するならば,非接触でも過失を加害車両運転者に認めていると言えます。


2 不適切な車線変更は,非接触事故の1つの典型例といえます。
ほとんどが,同一方向を走行していた他車線の後続車両との事故です。
進路変更の合図の遅れ,あるいは出し忘れ,あるいは車線禁止違反があったりしたために,被害者車両の走行を妨害して,「運転方法を著しく変更させる措置をとることを余儀なくさせる場合」には衝突に比すべきものと言うことです。

3 判決例
(1)Y乗用車が車線変更をした際に,それとの衝突を回避しようとしたA自動二輪車が転倒して,運転していたAが死亡した事案について,過失割合をY80%,A20%としました(大阪地裁 平成20年3月27日判決)。
本件は,四輪車が右へ進路変更するに際し,後続直進の二輪車に衝突の危険性を与えてしまって,二輪車が急制動により路上に転倒滑走させられた事案です。いわゆる非接触ではあるが,以上の事故態様に照らし一般の進路変更の際の衝突事案に準じて取り扱って差し支えないと判決では判断しています。

(2)YタクシーがX原付自転車に気付かないまま車線変更しながら減速したため,Xに急ブレーキをかけさせて転倒させた事案では,ウインカーを出さずに車線変更しながら減速してくるのに気付いたXがやむなく急ブレーキをかけることはやむを得ないとして過失相殺を否定しています(東京地裁 平成22年7月21日判決)。

被害車両に気付かないまま,ウインカーを出さずに左にハンドルを切り,加害車両の左半分程度を第1車線内に進入させたため,第1車線をほぼ同速度で並走していた被害車両が加害車両との衝突を避けようとして転倒した場合も過失相殺を否定しました。加害車両の行動が危険な上で予測が不可能という理由からです。
(東京地裁 平成22年11月24日判決)

(3)進路変更は,同一車線上の進路変更ではなく,第2通行帯から第1通行帯へと進路変更した場合も同様に考えられます(横浜地裁 平成23年10月27日判決)。
同一車線上の進路変更ではなく,第2通行帯から第1通行帯へと進路変更しようとしていたにもかかわらず,その直前で合図をし,左後方の確認も不十分であったことは明らかであるとして,加害車両の過失を80%としています。


4 結論
非接触であったも衝突の危険を与えるような車線変更をした車両に対して賠償責任が生じ,その過失割合は態様にもよりますが,相当大きく危険回避の余地を与えないような場合には一方的な過失となります。少なくとも,非接触だからと言うことで,過失責任を問われないと言うことは考えにくいとい得ます。
なお,不適切な車線変更以外にも以下の場合には,非接触であっても態様によっては過失が発生することが考えられます。
① 交差点内での不適切な右折
②  転回(Uターン)方法が不適切
③  対向車線車両の急右折
④ 停車車両の急発進

岡田 正樹 弁護士

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