弁護士コラム

頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアとは何ですか。交通事故で怪我をした場合にはどのような関係になりますか。

[投稿日] 2018年09月16日 [最終更新日] 2018年09月16日
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岡田 正樹 弁護士 むさしの森法律事務所

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1 椎間板ヘルニアとは何ですか。
(1)椎間板
脊柱(頚椎・胸椎・腰椎)のすべての椎体と椎体との間にあるディスク状の線維性軟骨組織で,それらを連結すると共に外力に対するショックアブソーバーとしての役割をしています。
(2)椎間板ヘルニア
繊維輪組織から椎間板が脱出することを言います。
その結果,発生レベルに相応する神経(脊髄,神経根)を圧迫します。
そのため,疼痛やしびれなどの神経症状や神経学的異常所見(知覚・運動・反射機能,直腸・膀胱機能)が出現する状態になった病状を意味しています。


2 椎間板ヘルニアの原因・メカニズム

(1)頚椎椎間板ヘルニア
①変性(加齢現象)
椎間板は,椎間の隙間を保つショックアブソーバーの役割をしています。それは髄核(水分を含んだ軟骨)の水分の圧力で生じているのですが,20歳を過ぎたころから,加齢によって水分が減少して椎間板のショックアブソーバーとしての働きが弱くなって,椎間の隙間を保つことができなくなるのです。
その結果,首が動くときに上下の椎体が擦れるようになり,椎間板の狭小化や骨棘の形成等の変性が見られるようになります。
このような頚椎の変性は,一般に明らかな変化は40歳代に出現し,それ以後高齢になるほど,変化が見られる率は高くなるとされています。
しかし,肉体労働者らラグビー選手のように,頚椎に大きな力がかかる場合には若年者でも生じることがあります。
頚椎に変性があっても,多くの人は何ら症状を訴えないが,症状が出る場合には,急激に症状が現われることはほとんどなく,肩凝りや項部の痛みといったごく軽い症状から始まり,ゆっくり進行するのです。

②変性に外力が加わるとどうなりますか。
変性に陥った髄核が脆弱化した線維輪を破って椎管内に突出したもの,または破れた線維輪から髄核が椎管内に脱出したものが頚椎ヘルニアです。
外傷が直接の原因となって線維輪の断裂が生じて,その部位から髄核の脱出を来たす例が70%くらいを占めるのですが,特に思い当たる要因がなくて発症するという例も少なくないのです。


(2)腰椎椎間板ヘルニア
頚椎と同じく髄核の変性と呼応して,その周囲を取り巻く線維輪に大小様々な亀裂が入り,この亀裂を通って髄核組織が脱出すると椎間板ヘルニアとなります。
また,ヘルニアが生じなくとも,椎間板は,椎間板腔が狭くなり,線維輪が弛んで外側に向かって膨隆し全体として退行変性の一途をたどるのです。
このように,腰椎椎間板ヘルニアは,加齢等に伴う椎間板の退行変性の過程で生じるのですが,日常生活上の何らかの動作にともなって発症する場合と,はっきりした発症のきっかけが分からない場合が半々くらいであるといわれております。


3 椎間板ヘルニアの原因に関する保険会社の基本的スタンス
外傷性椎間板ヘルニアということはほとんどありえない。骨折や脱臼を伴うことがない診断名だけが「外傷性椎間板ヘルニア」とは,外傷後にたまたま生じたヘルニアであり「外傷後ヘルニア」という呼び名こそがふさわしいのではないかというのが,基本的スタンスです。
従って,椎間板ヘルニアの発症を外傷性として交通事故によるものと被害者が主張しても,椎間板の変性を基盤として発生したのであるから,事故の関与を否定するか,肯定しても相当な素因減額が認められるべきであるとかならず反論してきます。

外傷性椎間板ヘルニアについては,重篤な結果を生じることがある一方で,加害者側(保険会社)から,この様な因果関係の否定あるいは大幅な素因減額を主張されることが多いものです。


4 被害者側としてはどうすればいいのでしょうか。
言葉のマジックのような話ですが,賠償においてヘルニアは,その存在が他覚所見として14級が12級にあるいはそれ以上に後遺障害認定される要因となるプラスの面があり,その点からヘルニアであることを賠償側は否定しようとします。
他方で,素因減額という面から賠償側はヘルニアが外傷によらず,既に無症状であっても存在していたことを主張立証しようとする面もあります。

つまり,否定しようとする反面で,否定できなれば逆に素因によって現在の症状があるので事故とは無関係であるとしようとするのです。

被害者側弁護士は,しっかりと画像診断などの医学的知見を参照にして証拠を分析して戦略的な主張と訴訟展開をする必要があります。

岡田 正樹 弁護士

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