弁護士コラム

自転車の傘差し運転で他の自転車を追い越そうとして衝突した場合の過失はどうなりますか。

[投稿日] 2018年09月18日 [最終更新日] 2018年09月18日
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岡田 正樹 弁護士 むさしの森法律事務所

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自転車の傘差し運転
自転車の傘差し運転は,片手運転となる危険な行為です。
平成27年道路交通法改正で自転車運転ルールも厳しくなりました。
ところが,直接に片手運転を禁止している条文はありません。しかし,安全運転義務(道路交通法71条6号)として各都道府県公安委員会で定めることができますから,その違反となります。

その点に触れたものとしては,名古屋地裁平成27年9月7日判決(確定)があります。
つまり,「自転車の場合,傘さし運転により走行時の安定性に劣る状態になることは明らか」と「本件事故に際し原告が転倒したことについては,原告が傘さし運転であったことが影響していることは否定できない」としております。

2  自転車同士の事故で片方が傘差し運転をしていた場合
傘差し運転が原因となって事故が起これば運転者の過失は極めて大きいと考えられます。
自転車同士の事故では,対向同士ならば正面衝突,あるいは同一方向ならば追越時の衝突,または,出合い頭衝突で傘差し運転の自転車が大きな過失割合となるでしょう。

自転車が他の自転車を追い越す場合には,追い越される側の自転車(=被追越自転車)と追越自転車は,追い越す前に並んだ状態ができます。
そして,事故つまり接触が起こりやすいのは,この並進状態およびその前後です。
被追越自転車からすれば後ろに目はないので,接近されたり並進されたりしてしまうと,手も足も出ない,衝突を回避する手段がほとんどないのです。
このような事故態様の場合に,一方的に追い越しした自転車の過失であるとして500万円の損害賠償を命じた判決が出されています。(東京地裁 平成26年3月12日判決(確定))

この判決では,被追越自転車が並進状態になった際に,自分つまり追越自転車の方向へ寄ってきたので接触したとして,自分の過失は小さいと言う主張をしました。要するに,追い越されようとしている自転車が自分の自転車に寄ってきたことが事故原因だと主張したのです。
だが,並進状態前後になれば衝突のリスクが当然に出てきます。そのために,追い越すためには,少なくともベルを鳴らすなどをして予告をしなければならない。それをしなかった追越自転車の一方的な過失と断じたのです。

ところで,傘差しをしてベルを鳴らすというのは,両手しかない状態ですから,実際には不可能です。
要するに,雨で傘差しをしている場合にはみだりに追越をするなと言うことになります。

岡田 正樹 弁護士

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